【ワルシャワ、ワシントン時事】ロシア国防省は25日、ウクライナ侵攻作戦について「第1段階の主な目的は達成された」として、ウクライナ南東部の親ロシア派武装勢力の支配地域拡大に重心を移す方針を示した。侵攻開始から1カ月が過ぎる中、首都キエフを攻略する計画から軌道修正した可能性を示唆した。

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 ロシアは短期間でのキエフ制圧を狙っていたとされるが、ウクライナ軍の徹底抗戦で攻略できずにいる。そのため、ロシアが併合した南部クリミア半島と親ロ派が実効支配する東部ドンバス地方をつなぐ一帯の掌握を優先させ、南東部の要衝マリウポリへの攻撃を激化させているとの見方が広がっていた。既に市内の一部が制圧されて市長が退避し、市民数千人がロシアに強制連行されたとも伝えられている。

 ロシア国防省によると、軍参謀本部の作戦担当幹部は、第1段階の主な目的が達成されたと述べた上で、「ウクライナ軍の戦闘能力は著しく低下しており、ドンバスの解放という主要目標の達成に主な力を集中させることが可能になった」と主張した。