ロシアのプーチン大統領は、軍への入隊志願者の年齢上限を撤廃する法案に署名し、同法が成立した。米CNNなどがロシア国営タス通信を引用して28日伝えた。ウクライナ侵攻による露軍の人的損失は相当数に上っており、上限撤廃で兵士数増加につなげる狙いがあるとみられる。

 従来の制度では、若年者が対象の徴兵制とは別に、ロシア国籍の人は18~40歳が、外国籍の人は18~30歳が、それぞれ露軍に入隊できる。法案はこの二つの上限を撤廃するもので、ロシア国会が25日に可決していた。医療支援や工学、情報通信などの分野の専門家が軍に参加することを期待しているという。

 露国防省は公式発表(3月25日)で、2月の侵攻後1351人が死亡し、3825人が負傷したとしている。英国防省は5月23日、約1万5000人が死亡したソ連のアフガニスタン侵攻(1979~89年)に匹敵する死者数が出ていると推計している。【畠山哲郎】