ロシアがウクライナへの侵攻を開始して6月3日で100日。英国の分析によると、ロシア軍は東部ドンバス地方の制圧に向けて勢いを増している。
プーチン大統領はウクライナ産穀物の輸出を容認すると発言。ウクライナが機雷を除去すれば、ロシア軍が港湾攻撃に踏み切ることはないと表明した。
米財務省はウクライナ侵攻を理由にプーチン大統領やその支持者と関連があるとされるヨットを対象に新たな制裁を科すと発表した。富豪アレクセイ・モルダショフ氏も米国務省の制裁対象になった。同氏はロシア4位の鉄鋼メーカー、セべルスタリの過半数株式を保有する。
「プーチン大統領関連」のヨットや富豪、米国の新たな制裁対象に
ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。
ウクライナ産穀物の輸出容認とロシア大統領
プーチン大統領はロシア国営テレビとのインタビューで、ロシアにはウクライナ産穀物の輸出を支援する用意があると発言。ロシアが管理下に置いている港湾からの出荷について、安全性を保証することができると述べた。ウクライナに対して水域での機雷除去も要求し、除去作業中にロシア軍が海上から攻撃を仕掛けることはないとも表明した。
プーチン氏はまた、世界的な食料・エネルギー価格高騰に対する自国の責任を逃れようと、外国政府への批判を展開。欧州の「近視眼的な政策」が欧州大陸におけるガス価格上昇を招いたと主張した。
EUと米国、ロシアに関する輸出管理で協調体制強化へ
欧州連合(EU)と米国は、米・EU貿易技術評議会(TTC)の下での協力を基盤に、ロシアに関する輸出管理での協調体制を強化することで合意したとの声明を発表した。
地雷除去が必要な土地、3000万ヘクタール-ウクライナ
ウクライナのシュミハリ首相は、地雷やその他爆発物の除去が必要な土地が3000万ヘクタールに上るとして国際的な支援を呼び掛けた。
「一定の成果」とロシア大統領府
ロシアはウクライナへの派兵から100日間で「一定の成果を収めた」と、ロシア大統領府のペスコフ報道官が述べた。ただ、ロシアは当初のもくろみ通りの戦果は得ていない。
同報道官は「この特別軍事作戦の目的が全て達成されるまで任務は継続される」とも述べたが、その目的が何かを具体的に説明することはなかった。
ルガンスクは向こう2週間でロシアが完全制圧-英予測
ロシアは現在、東部ルガンスクの90%余りを支配しており、向こう2週間で完全に掌握する公算が大きいと、英国防省が予測した。
米、ロシアとベラルーシの企業・団体を禁輸対象リストに追加
米商務省は2日、ロシアとベラルーシが本拠の71の企業・団体を、政府の許可を得ずに取引することを禁じる「エンティティーリスト」に追加した。ウクライナでの戦争に伴い規制を強化する。
商務省産業安全保障局の声明によると、2月24日のロシアのウクライナ侵攻以降にリストに掲載された企業・団体はこれで322に達した。
「プーチン大統領関連」のヨット、米国の新たな制裁対象に
米財務省は2日、ウクライナ侵攻を理由にロシアのプーチン大統領やその支持者と関連があるとされるヨットを対象に新たな制裁を科すと発表した。富豪アレクセイ・モルダショフ氏も米国務省の制裁対象になった。同氏はロシア4位の鉄鋼メーカー、セべルスタリの過半数株式を保有する。
同省の声明によれば、ロシア船籍のヨット「グレースフル」とケイマン諸島船籍の「オリンピア」は新たな制裁対象となった船舶に含まれる。
原題:Ukraine Latest: Putin Says Russia to Allow Grain Exports by Sea(抜粋)