ロシアのプーチン大統領への影響力が指摘され、ウクライナ侵攻に全面的な支持を表明したロシアの右派思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘ダリヤ氏が運転していた車が20日、モスクワ郊外で爆発・炎上し、ダリヤ氏は死亡した。連邦捜査委員会は21日、爆発物が仕掛けられていたとして、殺人事件として捜査を開始したと発表した。
捜査委は「犯行は事前に計画されていたとみられる」と説明した。ドゥーギン氏もこの車に乗る予定だったが、直前になって別の車に変更したと報じられている。ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」幹部のデニス・プシリン氏は、通信アプリ「テレグラム」で「ウクライナのテロリストがドゥーギン氏を抹殺しようとしたが、彼の娘を吹き飛ばした」と非難した。
一方、AFP通信によると、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は「ウクライナは爆発とは無関係」と関与を否定した。
「プーチンの頭脳」とも称されるドゥーギン氏は「ネオ・ユーラシア主義」を提唱し、反欧米の立場を取ってきた。ロシアが2014年にウクライナ南部クリミア半島を併合した際に支持を表明し、米国などの制裁対象となっている。