- 米民間雇用者数は低い伸び、4%超への利上げ来年早期までにと総裁
- ECB75bp利上げ完全織り込む、訴追でも発表は選挙後か、アーム
米国では今年、労働市場がタイトな中で、女性の賃金上昇率が一貫して男性を上回っています。ADPリサーチ・インスティテュートの調査によれば、8月は女性の賃金が前年同月比7.8%上昇したのに対し、男性は7.5%増にとどまりました。ただ、その水準自体にはまだ開きがあり、比率で言えば男性が1ドル稼いでいるときに女性は73セント程度。構造的な格差の大きさを数字が物語っています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
民間雇用者数の伸び鈍る
ADPが発表した8月の米民間雇用者数は13万2000人増と、マイナスだった2021年1月以来の低い伸び。エコノミスト予想(30万人増)も下回った。高インフレと金利上昇を背景に、雇用が鈍りつつある状況が示唆された。ADPは今回から新しい手法で統計をまとめており、賃金の伸びについても分析。転職した人の賃金が前年同月比で16.1%増え、転職しなかった人の伸び(7.6%増)の2倍を超えたことも明らかになった。
4%超への利上げ、来年早い時期までに
米クリーブランド連銀のメスター総裁は講演で、インフレ沈静化のために来年の早い時期までに政策金利を4%超の水準に引き上げ、その後しばらくその水準で据え置く必要があると述べた。質疑応答では、「リセッションに陥る状況になったとしても、われわれはインフレを鈍化させる必要がある」と発言。2023年中の利下げはないとの予想も明確に示した。
0.75ポイント完全織り込み
欧州中央銀行(ECB)政策委員会の会合日程に絡む金利デリバティブによれば、短期金融市場は9月と10月の会合で金利が合計125ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げられる確率を100%織り込んだ。これは2回の会合で0.5ポイントと0.75ポイントの利上げが決まるとの観測を示唆する。8月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)は前年同月比9.1%上昇と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値の9%上昇を上回り、過去最高を更新した。
トランプ氏訴追でも発表は選挙後か
米連邦検察はトランプ前大統領が法を犯したと判断した場合、同氏を訴追するとしても発表は11月の中間選挙後まで待つ公算が大きい。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。選挙前の60日間は選挙に影響を及ぼす、あるいは候補者や政党を後押しする目的で捜査や訴追を行わないという、長年の方針が司法省にはある。今年の場合は9月10日が60日前に当たり、11月8日の選挙が終わるまでいかなる発表もないだろうと、関係者らは匿名で述べた。
ライセンス巡り提訴
ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計会社アームは、米半導体メーカーのクアルコムを契約違反と商標権侵害で提訴した。クアルコムが昨年実施した半導体スタートアップ企業ヌビアの買収が焦点になっている。アームは発表資料で、ヌビアはアームのライセンスを使用して半導体を設計していたとし、このライセンスを許可なくクアルコムに移転することはできないと主張した。
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