[キーウ(キエフ) 16日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、ロシアが戦争捕虜をウクライナに返還する場合に限り、ウクライナを経由するロシア産アンモニアの輸出再開を支持すると述べた。ただ、ロシアは直ちにこの案を否定した。
アンモニアは化学肥料の原料。国連は世界的な肥料不足の緩和に向けウクライナ経由でのロシア産アンモニアの輸出再開の可能性を示唆している。
ゼレンスキー氏は首都キーウ(キエフ)の大統領府でロイターのインタビューに応じ「ロシアからのアンモニアをウクライナ経由で供給することには反対だ。捕虜と引き換える場合のみに賛成する」と述べ、こうした考えを国連に伝えたと明らかにした。
ロシアのタス通信によると、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、「人間をアンモニアと同等に扱うのか」と述べ、この案を拒否する姿勢を示した。
ロシア産のアンモニアをウクライナに送るパイプラインは、2月24日のロシアによる侵攻開始以降、停止されている。
ゼレンスキー氏によると、ウクライナ軍は北東部ハリコフ州での反転攻勢で数百人規模のロシア兵を捕虜にした。ただ、ロシアに拘束されているウクライナ兵の捕虜の数はこれを上回るという。