[北京 23日 ロイター] – 中国共産党は23日に開いた第20期中央委員会第1回総会(1中総会)で習近平総書記(国家主席、69)の異例の3期目続投を正式決定した。最高指導部の政治局常務委員会は7人体制を維持した。
国営メディアによると、常務委員に選出されたのは、習氏のほか、李強(新任)、趙楽際(再任)、王滬寧(再任)、蔡奇(新任)、丁薛祥(新任)、李希(新任)の各氏。いずれも習氏に忠実と見られており、同氏は毛沢東以来最も強力な指導者としての地位を確固たるものにした。
上海市党委書記の李強氏(63)は習氏に次ぐ党内序列2位で、来年3月に退任する李克強首相の後任となる可能性が高い。
習氏はまた、中央軍事委員会主席にも再任された。
米シンクタンク、ジェームズタウン財団のウィリー・ラム上級フェローは「1つの派閥の異常なまでの一方的な勝利は、共産党の伝統から見て珍しい。チェック・アンド・バランスがなくなることを意味しており、習氏は党政治局や中央委員会をも完全に掌握している」と述べた。
RBCキャピタル・マーケッツ(シンガポール)のアジアFX戦略責任者、アルビン・タン氏は「政策決定という点では、習氏自身の意見がより尊重され、『ゼロコロナ』政策がより定着し、『共同富裕』などをさらに推し進めることになると想像できる」と語った。
7人の常務委員を含む24人の政治局員も発表された。
予想通り今回の人事で習氏の明白な後継者は見いだせない。2018年には国家主席の2期制限が撤廃されており、同氏は来年3月には10年を超えて国家主席も続投する公算が大きい。