Zibang Xiao、Sarah Zheng、Krystal Chia
- 上海市トップとしてロックダウン指揮、混乱招いた李強氏が常務委員
- 蔡奇氏は習総書記の下で急速に出世、丁薛祥氏は地方トップ経験なし
中国共産党の習近平総書記(国家主席)は23日、党トップ3期目入りを決め、最高指導部の政治局常務委員を引き連れて北京の人民大会堂で待ち構えていた報道陣の前に姿を現した。人口世界一の中国を今後5年率いるのは誰かを世界が知った瞬間だった。
新たな政治局常務委員が党内の序列順に姿を現し、習氏が先頭を歩いていた時点で、異例の3期目続投が確認された。
新メンバーの大半は習氏と経歴が重なっており、党大会の閉幕翌日に発表された常務委員の新たな顔ぶれは、習氏の党内掌握がさらに進んだことを示す。
中国共産党の習指導部、異例の3期目発足-李強氏が次期首相濃厚
23日公表された政治局常務委員を序列順に紹介する。
習近平氏(69)
習総書記は異例の3期目入りを果たし、もはや序列1位の政治局常務委員にとどまらない存在だ。3期目続投には68歳定年の慣例を破る必要があったが、習氏はこれを実現。共産党は毛沢東氏以降で最も強力な指導者に自国の将来を託す意思を示した形だ。
習総書記は党内の政治構造を変え、明確な後継候補もおらず、何年にもわたり中国を統治する位置に付けた。
李強氏(63)
上海市トップの党委員会書記として、約2カ月に及ぶ新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)を指揮し、混乱を招いていた李強氏が政治局常務委員に上り詰めた。最大の昇格基準が習氏への忠誠心であることを証明した。李氏は習総書記の浙江省トップ時代に秘書長を務め、5年前の党大会を経て上海市党委書記に就いていた。
上海市トップは朱鎔基元首相だけでなく、習氏も経験したポストで、このポストを経験して政治局常務委入りを逃したのは1987年以降で1人しかいない。李強氏は今年6月、コロナから上海を防衛したとして勝利を宣言。多数の市民の外出を禁じ、散発的な混乱も招いたロックダウンは完全に正しかったと振り返り、「習近平総書記の重要指示」を称賛していた。
- 予想されるポスト:李克強首相の来年3月退任後、次期首相が濃厚
趙楽際氏(65)
趙楽際氏は党中央規律検査委員会書記として、この5年にわたり習氏の政治的ライバルを追放する反腐敗の取り組みを主導。規律検査委書記の前は党中央組織部長を務め、習総書記の側近を昇格させることに貢献した。北西部の青海省で約30年を過ごした趙氏は出世を重ね、当時中国最年少の省トップに上り詰めた後、5年前の党大会を経て常務委入りした。
- 予想されるポスト:全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員長
王滬寧氏(67)
権力闘争などが繰り広げられる党内で、王滬寧氏は巧みに指導部内にとどまる数少ない一人だ。復旦大学の法学院長を務めた経験もある王氏は、党内屈指の理論家で、これまで国家主席3人の目玉となるスローガンを考案した。
- 予想されるポスト:国政助言機関である人民政治協商会議主席
蔡奇氏(66)
蔡奇氏は浙江、福建両省で習氏と共に勤務した経験があり、習総書記の下で急速に出世。一気に政治局員に上り詰め、2017年に北京市党委書記に就いていた。中国初の冬季五輪を北京市トップとして迎え、金メダル数は中国として冬季五輪過去最多となった。蔡氏は現在66歳で、政治局常務委員を務めるのは1期のみとなる可能性がある。
- 新ポスト:党中央書記処書記
丁薛祥氏(60)
大半の政治局常務委員とは異なり、丁薛祥氏は地方のトップを務めた経験がない。習総書記の国内視察などでは、党中央弁公庁主任として同行する場面が多く、習氏の今年夏の香港訪問時にも姿があった。江蘇省出身で、5年前の党大会で中央候補委員から一気に政治局入りしていた。
- 予想されるポスト:筆頭副首相
李希氏(66)
香港紙・明報によると、李希氏は習総書記とは1980年代からの知り合い。広東省トップに就く前は遼寧省トップの党委書記を務めていた。5年前の第19回党大会を経て政治局入り。李氏は現在66歳で、政治局常務委員を務めるのは1期限りとなる可能性もある。
- 新ポスト:党中央規律検査委員会書記
原題:The Seven Men Who Will Lead China Into Xi’s Third Term (1)(抜粋)