【ワシントン時事】米商務省は2日、中国系の太陽電池メーカー4社が米国の制裁関税を回避するため、東南アジア諸国を経由して米国へ迂回(うかい)輸出していると発表した。同省は「米国産業を弱体化させる貿易歪曲(わいきょく)行為だ」と批判。現地調査を経て、来年5月に制裁逃れの有無を最終判断する予定だ。

「脱中国依存」へ政府機関設置求める 台湾有事にらみ供給網強化―米議会報告書

 バイデン米政権が気候変動対策を推進する中、太陽電池の国内需要が高まっているが、輸入業者はサプライチェーン(供給網)の「脱中国依存」を迫られている。迂回輸出が最終的に認定されれば、中国系4社の製品に高関税を課す可能性もある。

 迂回輸出が判明したのは、中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)香港や、中国系太陽電池メーカーのカナディアン・ソーラーなど4社。これら企業がマレーシア、ベトナム、カンボジア、タイに生産拠点を移して対米輸出を行っている疑いが強まり、商務省が今年3月から予備調査を行っていた。