[フェニックス/ワシントン 6日 ロイター] – 半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は6日、米アリゾナ州で既に建設中の工場に加えてもう1つ工場を建設すると明らかにした。投資額を従来計画比3倍超の400億ドルに拡大し、年間収入100億ドルを見込む。

まず2024年に1つ目が稼働し、2026年には回路線幅3ナノメートルの最先端半導体を製造する工場が動き始める。この日は現地で式典が開かれ、バイデン米大統領やTSMCの主要顧客企業であるアップルやエヌビディア、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの経営トップが出席した。

TSMCの劉徳音(マーク・リュウ)最高経営責任者(CEO)は、2つの工場から年間で100億ドルの収入が見込めると説明。さらに3万1000人の建設雇用と、1万3000人の高報酬の技術職雇用が創出され、このうち4500人はTSMCが直接雇うことになるという。

アップルのクックCEOは「われわれはTSMCと協力し、世界中で当社の製品を動かす力になる半導体を製造していく。TSMCが米国により深く根を下ろすとともに、この作業が拡大していくのを期待している」と述べた。

AMDのスーCEOは「AMDは両工場の大きな顧客になるだろう。われわれはTSMCおよびそのエコシステム全体と緊密に連携していくつもりだ」としている。

式典に出席したTSMC創業者の張忠謀(モリス・チャン)氏によると、アリゾナ州で採用した600人近くの技術者が台湾に研修を受けに行っている。米国で半導体を生産するという「25年来の夢がかないつつある」と語った。