[ブリュッセル 8日 ロイター] – 欧州連合(EU)の最高司法機関である欧州司法裁判所は8日、米アルファベット傘下のグーグルに対し、利用者が明らかな誤りと証明できた情報を検索結果から削除する必要があるとの判断を示した。
訴訟では、投資会社グループの幹部2人が、グループの投資モデルを批判した記事と自身の名前を関連付ける検索結果を削除するようグーグルに求めていた。
2人は検索結果に表示される自身のサムネイル写真の削除も要請。グーグルは、記事の情報が正確かどうか分からないとして、2人の要請を拒否していた。
この訴訟を巡り、ドイツの裁判所が欧州司法裁判所に助言を求めていた。
欧州司法裁判所は、利用者の過度な負担を避けるため、証拠は裁判所が認める必要はなく、利用者が妥当な証拠を提示すればよいとの見解を示した。
グーグルは、問題のリンクとサムネイルはすでに検索結果には表示されていないと説明。「当社は2014年以降、欧州で忘れられる権利を実現するため、懸命に作業を続けている」と表明した。
インターネット上の個人情報の削除を求める「忘れられる権利」は近年、言論の自由やプライバシーの権利を訴える人々の間で激しい議論が行われている。欧州司法裁判所は2014年に「忘れられる権利」を認める判決を下した。