[ベルリン/バートローベンシュタイン(ドイツ) 8日 ロイター] – ドイツで7日早朝、国家転覆を図っているとされる極右団体のメンバーおよび支持者と見られる25人が拘束された問題を巡り、今後数日中にさらなる強制捜査や逮捕が行われると予想されている。また、ドイツ当局は8日、拘束された23人に対する尋問を命じた。

今回拘束された容疑者らは、極右勢力「帝国の市民」や、2021年1月に起きた米連邦議会襲撃事件の逮捕者の中にも支持者がいた「Qアノン」の陰謀論に影響を受け、「ハインリヒ13世」と名乗る男らを擁立して新国家樹立を画策していたとされている。

テューリンゲン州のゲオルク・マイヤー内相は8日、放送局ドイチュラントフンクに対し「逮捕の第2波があるのが通例だ」と述べた。

ドイツ連邦刑事庁のホルガー・ミュンヒ長官も8日、放送局ARDに対して、事件の容疑者の数は現在54人だが、今後さらに増える可能性があると語った。

グループのリーダーとされている「ハインリヒ13世」は、かつて現在のテューリンゲン州を支配していた貴族のロイス家の子孫という。

オーストリア在住でロイス家を率いるハインリヒ14世は陰謀との関連を否定。中部ドイツ放送(MDR)に対し、今回の件は「一族に壊滅的な影響を与える」とし、ハインリヒ13世とは10年間連絡を取っていないと指摘。「テューリンゲン州では850年間にわたり寛容で国際的な貴族だったと思うが、今では世界中からテロリストや反動主義者とみなされている」と嘆いた。

ショルツ首相は8日夕の記者会見で「最も重要な結論は、このような犯罪や計画を見抜き、対抗できる治安機関を有する強靭な国家と民主主義が存在することを誰もが知ることだ」と述べた。