[モスクワ 8日 ロイター] – ロシアのウクライナ侵攻関連の予算が急増する中、政府は赤字を埋めるために国債を増発しており、変動利付債など種類も広げて投資家を呼び込もうと躍起になっている。
マクシモフ財務次官は8日、変動利付債を増発する考えを明らかにし、市場は大きな金利リスクを取ることに消極的なため、同債であれば懸念を緩和できると語った。財務省は従来、同債の大規模発行に慎重だったが「現在の緊急性を踏まえれば正当化される」と強調した。
インタファクス通信によると、シルアノフ財務相は今年と来年の財政赤字が対GDP比2%程度になるとの見通しを示した。
政府は今年、最大3兆2600億ルーブルの国債発行を計画。6カ月以上入札を行っていなかったが、第4・四半期の相次ぐ入札で目標達成に近づいている。来年は3兆5000億ルーブル(550億ドル)の調達を目指している。
一方、海外投資家によるルーブル建て国債の保有は、ウクライナ侵攻前の数カ月間で減少し、現在は過去10年間で最低の水準にある。
モスクワ取引所(MOEX)の債券市場部門ディレクターは8日、海外投資家の空白はロシアの銀行が埋めていると指摘。
同氏によると、10─11月に発行されたルーブル建て国債の86%を国内銀行が落札。昨年全体の発行市場のシェアである72%を大きく上回った。