[31日 ロイター] – アルメニアのパシニャン首相はロシアのプーチン大統領に対し、アゼルバイジャンとの係争地ナゴルノカラバフにおける人道的危機について伝え、打開に向けてロシアが必要な措置をとることの重要性を「強調」した。アルメニア政府が31日、発表した。

声明で「ナゴルノカラバフにおけるロシアの平和維持軍の活動について言及した」と指摘。ナゴルノカラバフとアルメニアを結ぶ唯一の陸路「ラチン回廊」におけるアゼルバイジャンによる封鎖をロシアの平和維持軍に止めさせるよう要請したという。

ナゴルノカラバフはアゼルバイジャン領内と国際的に認められているが、12万人の住民は主にアルメニア人となっている。

ラチン回廊においては環境活動家を名乗るアゼルバイジャンの民間人が12月12日以降、ロシアの平和維持軍と対峙。アルメニア政府は、抗議者たちは政府の支援を受けた扇動者と指摘する一方、アゼルバイジャン政府は回廊封鎖を否定し、一部の援助物資などの運搬を認めているとしている。

ロシア大統領府(クレムリン)は「ロシア、アルメニア、アゼルバイジャンの指導者による三カ国間合意全体の一貫した実施の重要性に重点を置きながら、ナゴルノカラバフにおける現在の状況が議論された」とした。

その後、ロシアのラブロフ外相がアゼルバイジャンのバイラモフ外相との電話会談で「ラチン回廊周辺の状況を解決する方法」について協議。ロシア外務省の発表によると、ラブロフ外相は、ロシアにはこの対立を仲裁する用意があると述べたという。