[東京 8日 ロイター] – 財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、2023年1月の経常収支は1兆9766億円の赤字だった。単月の赤字額としては14年1月(1兆4561億円の赤字)を超え、比較可能な1996年1月以降で最大となった。中国の春節(旧正月)に伴う輸出の伸び悩みが響いた。

経常収支のうち、貿易・サービス収支は3兆9401億円の赤字となった。第1次所得収支は2兆2905億円の黒字、第2次所得収支は3270億円の赤字だった。

専門家からは「春節などの一時的要因と経済の弱さが混在している」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との見方が出ている。

ロイターが実施した収支額の予測中央値は8184億円の赤字で、公表された赤字幅は予想を上回った。

単月の赤字は昨年10月以来、3カ月ぶり。経常収支の先行きについて、前出の宮前氏は「今後原油安が進みそうで単月ベースで黒字局面が多くなるとは思うが、赤字になる月もそれなりにありそう」と指摘している。