- カシュカリ総裁発言、SVB買収入札、追加の銀行支援策検討
- ロシアの戦術核配備、台湾とホンジュラスが国交断絶
今週はロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が開幕戦(日本時間31日)で先発する予定です。米金融市場では消費者信頼感や消費者マインドの指数発表がある一方、個人消費支出(PCE)価格指数などインフレ指標も発表されます。銀行混乱の景気への影響を配慮しながら、インフレ退治も続けなければならない米金融当局者にも「二刀流」の華麗な太刀さばきが求められます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
リセッションリスク
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は最近の銀行混乱について、米国がリセッション(景気後退)入りするリスクを高めたとの認識を示した。CBSの番組で銀行問題がリセッションをもたらすかどうかを問われ、「明らかに近づけている」と回答。銀行混乱が「景気減速につながるかどうかを注意深く見守っている」と語った。5月2ー3日に開かれる次回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合については「どのような予想を立てるのも時期尚早だ」と述べた。
買収目指し
バレー・ナショナル・バンコープとファースト・シチズンズ・バンクシェアーズの米地銀2行は、破綻したシリコンバレー銀行(SVB)の買収を目指し、連邦預金保険公社(FDIC)が実施した入札に、24日夜の締め切り前に応札したと、関係者が明らかにした。SVBを管理下に置いたFDICは2週間ほど前から同行売却を目指しており、早ければ週末にも落札行を発表する可能性があるが、最終決定はなされておらず、FDICがSVBを保持する、あるいは別の売却先を選択する可能性もあるという。
一段の支援
米当局は銀行向け緊急融資ファシリティー拡張などさらなる銀行支援策を検討している。ファースト・リパブリック・バンクにバランスシート修復の時間を与えることを念頭に置いたものだと、事情に詳しい関係者が明らかにした。ただ、ファースト・リパブリックは当局が直ちに介入しなくても、アドバイザーとともにバランスシートを修復する合意を探る間、営業を続けられる程度には安定していると当局は考えているという。
戦術核
ロシアは同盟関係にあるベラルーシに戦術核兵器を配備すると、プーチン大統領が明らかにした。国際的な核不拡散条約に抵触することはないとの考えを示している。米国はこの動きの影響を注視すると表明した。「核戦争リスクのエスカレーションに対する影響はなく、核戦争のリスクは極めて低い」と米国を拠点とするシンクタンク、戦争研究所のアナリストが分析した。
国交断絶
台湾とホンジュラスは国交を断絶する。ホンジュラスが台湾を自国の領土とみなす中国の主張を認めた。中国は他国との国交樹立に際し台湾との断交を求める。これで、台湾と外交関係を持つ国は13カ国となった。カリブ海沿岸諸国が多い。台湾の蔡英文総統は約7年の在任期間中に支援国を増やすことに努め、今週はグアテマラとベリーズを訪問する予定。
その他の注目ニュース
株式トレーダーが質への逃避、銀行危機より次のリセッションを懸念
東芝TOBに向けた最後のハードル、気になる「物言う株主」の動向
起債環境は回復途上、社債発行額は前年度並みか-大和証23年度展望