[ワシントン 29日 ロイター] – 米議会上院は29日、イラク戦争と湾岸戦争に際して軍事力行使を無期限に認めた決議を廃止するための法案を賛成66、反対30で可決した。

この決議は「軍事力行使権限承認(AUMF)」と呼ばれ、それぞれ2002年と1991年に成立したまま、法的な効力が20年余り経過してなお続いている。

廃止するには下院でも同様の法案を通過させる必要があるが、野党共和党が優勢な下院における採決の行方は不透明。上院でも廃止反対に投票したのはいずれも共和党議員で、同党上院トップのマコネル院内総務も反対を表明した。

一方バイデン大統領は議会で廃止法案が承認されれば署名する意向だ。

AUMF廃止論者は、イラクはもはや敵ではなく、米国の安全保障上のパートナーだと主張する。またAUMFで宣戦布告の権限が大統領に一時的に委ねられたことから、開戦を最終的に決める権限は大統領でなく議会にあるという憲法原理を守る上でも、AUMFを放置し続けるのは問題だとの声も聞かれる。