• トランプ前大統領は無罪主張、金融当局は過剰反応禁物とダイモン氏
  • 輸出規制に中国懸念、質の高い債券魅力、フィンランドNATO入り
A motorcade, carrying former US President Donald Trump, leaves criminal court in New York, US, on Tuesday, April 4, 2023. Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg

トランプ前大統領が裁判所に出頭し、罪状認否に臨みました。大統領経験者が起訴されるという米史上初のケース。前大統領は裁判所へ向かう車内で、自身が立ち上げたソーシャルメディアに、当局は「私を逮捕しようとしている。こんなことが米国で起きているなんて信じられない。MAGA!」と投稿。当初から「魔女狩り」と訴えていた前大統領にすれば、無罪を主張したのは当然なのでしょう。裁判所を後にした前大統領は車で空港へ直行しましたが、ソーシャルメディアの更新はありませんでした。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

無罪を主張

トランプ前大統領は4日、ニューヨーク市マンハッタンの州裁判所で罪状認否に臨み、起訴された34件の罪状に対して無罪を主張した。マンハッタン地区のブラッグ検事は、4日の声明でトランプ氏の起訴状を開示。起訴内容はニューヨーク州でのビジネス記録の改ざんに関連していると説明した。記録改ざんは2016年大統領選の前後において「不利な情報と不法行為」を隠蔽(いんぺい)するために行われたとしている。

過剰反応禁物

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、シリコンバレー銀行(SVB)の失敗は米国の規制が促したものだとの考えを示した。連邦準備制度理事会(FRB)が金利上昇に対する銀行のストレステストを実施していなかったとも指摘し、リスクは自明だったがウォール街と預金者が強い警告を発するまで看過されていたと論じた。この話は「まだ終わっていない」と言うダイモン氏。影響は今後何年も残るだろうが、米当局は「過剰反応」してさらに規則を増やすべきではないとくぎを刺した。

重大な懸念

中国商務省は4日の声明で、日本が計画する半導体製造装置23品目の輸出規制に「重大な懸念」を表明した。声明は中国が世界最大の半導体市場であることや、日本の半導体製造機器にとって最大の輸出先であることを指摘し、日本が提案する制限は世界的なサプライチェーンの安定のみならず、日中両国の企業利益を損なうと警告。日本の提案は事実上、個別国の強要に値し、中国に危害を加える行為だと非難した。中国は「正当な権利と利益を断固守るために」決然とした措置を講じる意向を表明した。

質の高い債券

急速な米金融引き締めを受けたリセッション(景気後退)リスクの高まりを背景に、質の高い債券を保有する魅力が増すと、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は指摘した。4日付のリポートでPIMCOは、最近の銀行破綻や資本コストの上昇で「特に米国で与信環境が著しく引き締まるとの見通しが強まりつつある。従って、より早期かつ深刻なリセッションのリスク」が高まると警告。この環境において「債券は分散化や資本保護という伝統的な性質を示しそうだ。一段と景気が悪化する場合は、価格が上昇する可能性がある」との見方を示した。

国境線2倍に

フィンランドが4日、北大西洋条約機構(NATO)に正式加盟した。欧州の安全保障を一変させたロシアのウクライナ侵攻を受けて開始した加盟手続きは曲折を経たが、全加盟国の承認を受けて手続きが完了した。フィンランドは31番目の加盟国となり、加盟国への攻撃を全加盟国への攻撃とみなすNATO条約第5条が適用される。フィンランドの加盟で、NATO加盟国がロシアと接する国境線の長さは1300キロ余り増え、これまでの2倍になる。

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