[ベルン 12日 ロイター] – スイス議会は12日、経営危機に陥った金融大手クレディ・スイスのUBSによる買収に対する政府の1090億スイスフラン(1208億2000万ドル)の支援を巡る採決を再度行い、承認を改めて否決した。
議会上院は11日、クレディ・スイスのUBSによる救済合併と、それに伴う当局の支援措置を「追認」したが、その後、下院(200議席)が反対102票で否決。12日未明まで激しい議論が続いていた。
12日に上院で再び討議され、若干の変更を加えた上で下院に送られたものの、反対107票で再び否決された。
UBSによるクレディ・スイスの買収に関連する支援措置に財政資金を利用することは緊急事態法で裏付けられており、議会が決定を覆すことはできないため、採決結果は象徴的な意味合いが大きい。
下院の採決を受け、スイス財務省は「3月19日に決定されたクレディ・スイスの買収に影響を及ぼすものではない」と表明。緊急性が高かったため議会の財務代表団が拘束力のある承認を行っており、資金はすでに全額確約されているとした。
承認を支持した議員は、スイスのイメージ悪化を懸念。ヘルツォグ上院議員は「否決で悪い印象を与えることになる」と述べた。