[ワシントン 13日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁は13日、ユーロ圏のコアインフレ率は向こう数カ月で改善し始めるとの見通しを示しながらも、ECBは金融政策を通してまだやるべきことが残っていると述べた。

ナーゲル総裁は「コアインフレは夏前に正しい方向への最初の動きを見せると予想している」と述べた。

その上で、利上げの効果を示す勇気づけられる動きとして米国の3月の消費者物価指数(CPI)の伸び減速に言及。ただ、米連邦準備理事会(FRB)はECBよりも早い時期に利上げサイクルを開始したと指摘した。

5月4日の次回ECB理事会での決定については言及しないとしながらも「物価安定をタイムリーに回復するために、金融政策をもって断固として行動し続けなければならないのは明確だ」と述べた。

ナーゲル総裁はワシントンで開かれている国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季総会に出席している。

欧州連合(EU)統計局が先月発表した3月の消費者物価指数(CPI)速報値は、前年同月比の伸び率が6.9%と前月の8.5%から大幅に低下。一方、エネルギー価格と食品価格を除いたコアCPIの伸びは7.5%と2月の7.4%からわずかに拡大した。

ユーロ圏経済については、第1・四半期は低調だったものの成長率は加速する可能性があり、リセッション(景気後退)には向かっていないとした。