[ニューヨーク 25日 ロイター] – 米ニューヨーク・マンハッタンの連邦地方裁判所で25日、著述家のジーン・キャロルさんがトランプ前大統領に性的暴行を受けたと訴えた民事裁判の口頭弁論が始まった。

これに先立ちルイス・カプラン判事は9人の陪審員に、前大統領が1990年代半ばに百貨店バーグドルフ・グッドマンの試着室でキャロルさんを暴行し、その事実を否定して彼女の名誉を傷つけたかどうかを巡る裁判であると説明した。

キャロルさんの弁護士は冒頭陳述で、前大統領が「キャロルさんを壁に押しつけ、無理やり口づけをした」などと主張。「これは『言った・言わない』というレベルの争いではない」と述べ、今後前大統領から被害にあったという別の2人の女性も証言することになると付け加えた。

一方、前大統領の弁護士は、前大統領がキャロルさんを暴行していない証拠は明らかだと反論した上で、伝統的に民主党支持が圧倒的なマンハッタンで選出された陪審員に対して「ドナルド・トランプを嫌うのは構わない」が、裁判においてそうした個人的感情はいったん脇に置くよう要請した。

前大統領は昨年10月、自身が立ち上げたソーシャルメディアでキャロルさんの主張を「でっち上げで完全な詐欺話」と一蹴し、彼女が自身の回想録を宣伝するために仕掛けたと指摘。キャロルさんは「私の(好みの)タイプではない」と言い放った。

キャロルさんは被害による苦痛やプライバシー侵害に対する賠償を要求している。

審理は26日に再開され、1―2週間続く見通しだ。