[ストックホルム 28日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)のアルフレッド・カマー欧州局長は28日、欧州中央銀行(ECB)に対し来年半ばまで利上げを継続するよう求めた。
欧州連合(EU)加盟国の財務相には財政を引き締めるよう要求。ECBと各国財務相が協調してインフレを抑制すべきだとの見解を示した。
EU財務相・中央銀行総裁会議に先立ち会見した同局長は、インフレが最大の懸念要因だと指摘。
「われわれの主な政策提言は、インフレの克服であり、これは金融政策手段の活用が必要であることを意味する。ECBにとって、これはさらなる引き締め、われわれの推定では来年半ばまでの長期的な引き締めを意味する。インフレ率を2025年中に目標に戻すことが狙いだ」と述べた。
同局長は、EU諸国の財務相に対し、新型コロナウイルス流行時や生活費危機の際に打ち出した財政刺激策を縮小して、ECBを支援する必要があると主張。
「インフレは中央銀行だけで対処できるものではなく、それを支える財政政策が必要だ」とし、国民向けのエネルギー高騰対策が延長されたため、予想されていたEU諸国の大幅な財政赤字削減は実現していないと述べた。
その上で「エネルギー価格が下がってきている今、生活費対策を段階的に廃止することを提言する。段階的に廃止しないなら、さらに対象を絞ることを提言する」と表明。「財政の貢献があれば(ECBの)引き締めをそれほど強くする必要はなく、金利を低く抑えることができ、金融ストレスが軽減されることになる」と述べた。
EU財務相・中央銀行総裁会議はストックホルムで28─29日に開催する。金融・財政政策とインフレのバランスが議題になる。