• 米CPIでインフレ鈍化、ECB当局者9月も利上げの可能性認識
  • ソフトバンクG決算発表へ、王族が米株ショート、詐欺罪で議員起訴

長距離のフライト、満席のエコノミークラス。苦しい体勢でもわれわれは何とか寝ようとするものですが、ニュージーランド(NZ)航空が横になって寝られる新たなサービスを計画しています。以前から明らかにしていたプランですが、同社は10日に詳細を発表。NZのオークランド-米ニューヨーク、およびオークランド-米シカゴを結ぶ超長距離便に3段ベッドを置くスペースを設け、2024年から利用できるそうです。体を伸ばして寝るためのこの別料金は、4時間当たり400-600NZドル(約3万4000-5万1000円)ほどになるもよう。安いとみるか高いとみるか。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

インフレ鈍化を示唆

4月の米消費者物価指数(CPI)統計ではインフレ鈍化の兆候が示唆された。総合CPIは前年同月比4.9%上昇と、伸び率が約2年ぶりに5%を切り、市場予想(5%上昇)も下回った。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数も前年比で5.5%上昇と、3月の5.6%上昇から鈍化した。米金融当局に利上げ停止の余地を与える可能性がある。米金融当局者が注視する狭義のサービス価格は、前月比での上昇率が顕著に減速し、2022年半ば以来の低い伸びとなった。

9月も利上げか

欧州中央銀行(ECB)の一部当局者はインフレを十分に抑え込むため、9月の利上げが必要な可能性を受け入れ始めつつある。ECBの協議に詳しい関係者が明らかにした。ECBはデータに依拠するアプローチをとっており、今後4カ月の動向次第では当局の見解が容易に変化し得ることを意味している。政策委員会メンバーの一部は、状況が変わらなければ今後2回の0.25ポイント利上げを実施したとしても物価上昇を抑えるには不十分かもしれないと推測しているという。9月14日に行われる会合でECBが現時点から3回目となる利上げを発表すれば、現在3.25%に設定されている中銀預金金利は4%に達する。

2期連続の通期赤字も

ソフトバンクグループの前期(2023年3月期)決算は赤字となった可能性がある。世界的な株価の持ち直しを背景に、ビジョン・ファンド事業が1-3月期(第4四半期)に黒字を確保するも、第3四半期までに巨額の損失を計上、通期では2期連続の赤字見通しだ。同社は11日午後3時に決算概要を発表、午後4時半から説明会を開催する。孫正義社長は出席せず、後藤芳光最高財務責任者(CFO)らが説明に立つ。

王族の投資会社

アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の王族が経営権を握る投資会社ロイヤル・グループは、米株式のショートポジションを数十億ドル規模に積み上げている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。リセッション(景気後退)への不安が広がり、相場を圧迫するとみているという。ロイヤル・グループは今年初めに株式への弱気な見方を強め、ポートフォリオでは短期の米国債への配分を高めたと関係者は話した。ロイヤル・グループがショートにしている銘柄やセクターは現時点で明らかになっていない。

詐欺で起訴

経歴詐称の疑惑が持たれている米共和党のサントス下院議員(34、ニューヨーク州)が、連邦検察当局に逮捕された。大陪審は9日の時点で詐欺とマネーロンダリング、公金横領、詐称を含む13の罪状で同議員を起訴。サントス被告を巡っては、昨年11月の議員当選直後から5カ月にわたって捜査が行われてきた。起訴状によれば、同被告は2020年3月22日から1年ほど、ニューヨーク州労働省から2万4744ドル(約330万円)の失業保険を受給。この間に、投資会社の地域ディレクターとして年間12万ドル前後の所得を得ていた。

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