トルコ大統領選挙は事実上、現職のエルドアン氏と対抗馬のクルチダルオール氏の一騎打ちだったが、どちらも過半数を獲得できず決着は28日の決選投票に持ち越された。20年間にわたり大統領の座に君臨してきたエルドアン氏、決選投票ははじめての経験。トルコのマーケットでは株もリラも国債も売られた。事前予想では野党統一候補のクルチダルオール氏が有力だった。大統領交代で経済運営の正常化を期待していた市場関係者から見れば、エルドアン氏がトップとなった選挙結果は「予想外」だったのだろう。物価が急騰している中で政策金利を引き下げるという同大統領の異常な経済運営が、物価のさらなる高騰を招き庶民の生活を圧迫した。常識的に考えれば政権交代があってもおかしくない状況だった。にもかかわらず投票結果は開票率99%の段階で、エルドアン氏が49.4%、クルチダルオール氏が44.96%。
今回の選挙に不正はなかったのだろうか。事前予想に反する結果を見て頭をよぎる最初の疑問だ。「トルコ大統領選挙に不正はなかったのか」、Googleで検索してみた。選挙結果に関する記事はいくつもあったが、不正を指摘した記事はほとんどない。そんな中で唯一だろう、「FNNプライムオンライン」が「トルコで“異常事態”…大統領選で不正行為?」という見出しの記事を配信していた。いわく「投票所で信じられない行動が撮影されていた。大統領自ら、子どもにお金を配り始めた。本来、禁止行為のはずだが、『祝日のお小遣い』だと主張している。さらに別の投票所では…。4人の候補者が並ぶ投票用紙。一番左のエルドアン大統領の欄に、次々に押されるはんこ。票を水増ししているように見えるが、政府は否定している」とある。事実かどうか判断はつかない。だが、強権政治家のエルドアン氏である。あり得る気がしてくる。
ついでに同じ質問をchatGPT搭載のマイクロソフト・エッジでもしてみた。回答は次の通り。「私が見つけた情報には明確な記述がありませんでした。トルコの選挙管理委員会は、現職のエルドアン大統領と野党6党の統一候補・クルチダルオール氏が過半数の票を獲得できず、5月28日に決選投票が行われることが決まったようです。エルドアン大統領は、SNSに『決選投票で歴史的な成功を収めることを期待する』とコメントしています」との回答。不正の有無には触れていない。大統領選挙での不正は数多く指摘されている。大半は強権的な権力者がいる国の出来事だが、トランプ前大統領はいまだに「(前回の)大統領選挙は盗まれたもの」と主張している。ベラルーシュのルカシェンコ大統領は不正選挙で窮地に陥ったが、この時手を差し伸べたのがプーチンだ。FNNは不正現場の映像を入手している。これは世紀の“特ダネ”かもしれない。
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