- エヌビディア時価総額1兆ドル、モスクワにドローン攻撃
- マスク氏訪中、米消費者信頼感指数が低下、共和党強硬派が報復示唆
革ジャンを羽織った白髪の男性と一緒にセルフィーを撮ろうとする若者たち。カメラを構えた報道陣。人の波にもまれているのはエヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)です。台湾を訪れたフアン氏が姿を現せば、そこが講演会場であれ、屋台の並ぶ夜市であれ、たちまち数十人に囲まれます。新世代の人工知能(AI)が巻き起こした熱狂が、革新に欠かせない技術を提供する半導体メーカーに押し寄せ、その経営者にも波及している様子がうかがえます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
1兆ドルクラブ
米エヌビディアの時価総額が30日、半導体メーカーとして世界で初めて1兆ドル(約140兆円)に到達し、一握りの限られた企業の仲間入りを果たした。同社の株価は一時7%を超えて上昇した後は失速したが、時価総額は1兆ドル弱を維持した。米企業ではアルファベットとアマゾン・ドット・コム、アップル、マイクロソフトが時価総額1兆ドルの節目を超えている。ROBOグローバルのシニアリサーチアナリスト、ゼノ・マーサ-氏はエヌビディアについて「現在、ポールポジションにつけている」と述べた。
首都攻撃
ロシアは首都モスクワを標的としたドローン8機を無力化したと発表した。プーチン大統領がウクライナ侵攻を命じて以来、モスクワに対する攻撃としては最大規模となる。プーチン氏はモスクワ周辺の防空強化を指示。ロシア外務省はウクライナに対する「最も厳しい」報復措置を警告した。ロシア国防省は攻撃を仕掛けたのはウクライナだと非難。ウクライナは今のところコメントを発していない。モスクワ市のソビャニン市長によれば、複数の住宅用建物がドローン攻撃で損傷。重傷者はいないが、2人が治療を求め、建物2棟の住民が避難したという。
訪中
電気自動車(EV)メーカー、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は3年ぶりの中国訪問で、同国と関係を維持することの重要性を強調。中国政府によると、マスク氏は秦剛外相と会談し、同国での事業拡大に前向きだと語った。匿名の関係者によれば、マスク氏はテスラの上海工場も訪れる予定。中国で導入を目指す自動運転技術について協議するため、李強首相と会う可能性もあると関係者のうち1人が述べた。中国外務省の毛寧報道官は「マスク氏や他のビジネス界首脳による訪中を歓迎する」と表明した。
雇用が悪化
コンファレンスボードが発表した5月の米消費者信頼感指数は、6カ月ぶり低水準となった。債務上限交渉の妥結を前に、労働市場の現状を巡る見解や先行きのビジネス環境に関する見通しが悪化した。雇用が十分にあるとの回答比率は約2年ぶりの低水準。6カ月後の雇用増加を予想する回答比率は2016年以来の低水準だった。今回の調査はホワイトハウスと共和党が債務上限問題で原則合意する前の5月22日までに実施された。
報復
米共和党の強硬派議員らは米国のデフォルト(債務不履行)回避を目指したホワイトハウスとマッカーシー下院議長の合意に対し、報復すると警告した。ロイ下院議員(テキサス州)は下院共和党は合意によって「ばらばらに引き裂かれた」とし、「たとえ何が起きようとも、報いを受けることになるだろう」と語った。ビショップ下院議員(ノースカロライナ州)はマッカーシー議長が民主党に「降参した」と非難。下院議長解任に向けた正式プロセスを始める計画を明らかにした。
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