[ヨハネスブルク/ケープタウン 1日 ロイター] – 南アフリカは、8月に開催する新興5カ国(BRICS)首脳会議(サミット)について、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているロシアのプーチン大統領が出席する場合の法的な対応を検討している。南アのパンドール外相が1日、明らかにした。
ICCは3月、ロシアがウクライナで子どもをロシア支配地域に強制的に移動させたことを巡りプーチン氏に逮捕状を出した。南アフリカはICC加盟国のため、プーチン氏がサミット出席のために来訪した場合、建前としては逮捕しなくてはならない。
南アは現在、ケープタウンでBRICS外相会議を開催。同会議に出席している南アのパンドール外相は記者団に対し「南ア政府は現在、この件に関してどのような法的な選択肢があるか検証している」とし、結論が出ればラマポーザ大統領が発表すると述べた。
BRICS首脳会議は8月22─24日にヨハネスブルグで開催。同会議が別の国で開催されるとの観測も出ていたが、パンドール外相はBRICS首脳会議は8月にヨハネスブルグで開催されると言明した。
南アと共にBRICSを構成するブラジル、ロシア、インド、中国の全ての首脳に招待状がすでに発行されているという。
南アフリカは5月29日、現在行われているBRICS外相会議のほか、8月のBRICS首脳会議の出席者に外交特権を発行。南アの国際関係部門は、南アで開催される全ての国際会議の標準的な手続きだとしている。
これに先立ち、南ア政府の国際関係当局の幹部は、この問題を担当する閣僚が近く集まり、選択肢を提起した報告書を検討する予定だと述べていた。
南ア政府高官は5月31日に、前回の議長国でロシアや米国とともにICCに加盟していない中国にサミット開催を要請する選択肢もあると述べている。
ただインタファクス通信は、ロシアのリャプコフ外務次官が1日にサミットの開催国に中国に変更するという報道は偽情報だと述べたと報じた。
ロシア大統領府は5月30日、サミットに「適切なレベル」で参加するとしている。
ムベキ元南ア大統領は5月25日のラジオインタビューで「法にしたがってプーチン大統領を逮捕しなければならないが、そんなことはできない」と述べ、サミットが南アで開催される可能性は低いとの見方を示した。