- サウジは7月に追加減産、「市場安定化に必要なことは何でもする」
- OPECプラスは減産合意を2024年に延長することで合意
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」は4日、減産合意を2024年に延長することで合意した。サウジアラビアは自主的に7月に日量100万バレルを追加で削減すると表明した。同国の産油量は同900万バレル程度と、21年6月以来の低水準となる。
サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は会合終了後、「この市場の安定化に必要なことは何でもする」と述べた。サウジの発表を受け、原油先物相場はアジア時間5日早朝に急伸。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物はシンガポール時間午前6時15分(日本時間同7時15分)時点、一時4.6%高の1バレル=75.06ドルとなった。
ゴールドマン・サックス・グループを含め、ほとんどの市場ウォッチャーはOPECプラスが生産量を据え置くと予想していた。
過去の減産が持続的な価格上昇につながらなかったことから、サウジは追加減産に踏み切る。OPECプラスは2カ月前にサプライズ減産を発表。しかしそれ以降、中国の弱い経済データが原油相場を圧迫しており、ニューヨーク原油先物相場は5月に11%下落した。
同エネルギー相はサウジの追加減産について延長の可能性に言及しつつも、延長するかどうか市場を「やきもき」させるつもりだと話した。同相はこれまでも繰り返し、原油相場に弱気な投機筋に「気を付けろ」と警告していた。
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元ホワイトハウス当局者で、現在は米コンサルティング会社ラピダン・エナジー・グループ社長を務めるボブ・マクナリー氏は「短期的には原油相場はどちらの意志が強いかで大きく左右されるだろう」とし、「安定を目指すサウジと空売りトレーダー」の闘いになると説明した。
今回のOPECプラス会合の合意発表は、詳細を巡る議論でずれ込んだ。一部諸国の削減量測定の基準変更が争点の一つとなり、結局、一部のアフリカ諸国が未使用の生産枠を部分的に断念することに同意した一方、アラブ首長国連邦(UAE)は生産枠拡大を勝ち取った。
キーポイント |
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・サウジは7月に日量100万バレルを自主的に追加減産へ ・UAEは生産枠の拡大を認められる-一部アフリカ諸国は未使用枠を失う ・UAEはOPECとの協調継続を表明 ・自主減産は2024年末まで延長されるブ ・ルームバーグとロイター、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)はいずれもOPEC本部での同会合の取材に招待されなかった。記者らは会議場の外で参加者への取材を継続。OPEC側から質問への回答や、4日の決定に関する説明はない |
原題:Saudi Arabia Goes Alone at OPEC+ With Million-Barrel Output Cut
Oil Surges After Saudis Pledge Million-Barrel Cut at OPEC+ Meet
OPEC+ Latest: Saudis Unveil Extra 1 Million Barrel Cut(抜粋)