【キーウ・ロイター時事】ウクライナは10日までに、ロシア軍が占領する東・南部の奪還に向け、大規模な反転攻勢を開始した。両国の大統領がそれぞれ明らかにした。作戦の詳細は明らかにされていないが、侵攻を続けるロシアとウクライナの戦闘は新たな局面に入った。
ロシアのプーチン大統領は9日、同国南部ソチで「(ウクライナ軍の)攻撃が始まったと断言できる」と表明。「ウクライナ軍はいずれにおいても、目的を達成できていない」とも述べ、反攻が成功していないとの認識を示した。
これに対しウクライナのゼレンスキー大統領は10日、首都キーウ(キエフ)を訪問したカナダのトルドー首相との共同記者会見で「反転攻勢と防衛行動が行われている」と明言。作戦の進行状況は明かさなかったものの「(ウクライナ軍の)将官らは誰もが明るいムードだと、プーチンに伝えてくれ」と語った。
前線では激しい攻防が続いているもようだ。ゼレンスキー氏は、東・南部で戦う兵士らに「陣地を守り、前進したことに感謝する」とする動画を投稿。ウクライナ軍参謀本部は、東部バフムト周辺でロシア軍を撃退し「甚大な打撃を与え続けている」と主張した。
一方、ロシア国防省は10日、ウクライナ軍が過去24時間に東部ドネツク、南部ザポロジエの両州で攻撃を試みたが「不首尾に終わった」と指摘した。