- ブラックロックのETF上場申請後に少なくとも3社が計画を申請
- SEC、リスク挙げビットコイン現物投資型ETF拒否してきている
米ブラックロックが先週、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン現物投資型の上場投資信託(ETF)を米国で上場申請するという驚きの動きに出たことで、競合会社から同様の申請が相次いでいる。ブラックロックには申請承認につながる重要な知見があるとの観測が広がっている。
ビットコインは、この申請以降、20%余り上昇し3万ドルを突破した。20日にはウィズダムツリーが米証券取引委員会(SEC)に「ウィズダムツリー・ビットコイン・トラスト」を申請。その数時間後にはインベスコがビットコイン現物を裏付けとする「インベスコ・ギャラクシー・ビットコインETF」をあらためて申請した。ビットワイズも数日前に同様の金融商品に関する計画を提出した。
こうした申請ラッシュの背景にあるのが、ブラックロックが先週見せた「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト」の投入を目指す動きだ。
同社が約9兆ドル(約1280兆円)を運用する世界最大の資金運用会社であることを踏まえると、今回の申請はSECが現物投資型のビットコインETFに最終的にゴーサインを出すかもしれない兆しと受け止められている。SECはビットコイン現物市場における詐欺や操作などのリスクを理由に、こうした仕組みを繰り返し拒否してきている。
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助言会社ETFストアのネイト・ゲラシ社長は「世界最大の資産運用会社がこうした動きを見せれば、他の運用会社も注目するだろう。ビットコインETFを巡る競争は非常に大きな賭けだからだ」とし、「SECが現物型ビットコインETFを受け入れる用意があることを示す兆候は全くない。考えられるのはブラックロックが何かを知っているかもしれないということだ」と指摘した。
ブラックロックは21日、こうした観測についてコメントを控えた。申請時には、広報担当者は規制上の制限に言及していた。
原題:Bitcoin Jumps on Speculation BlackRock ‘May Know Something’ (1)(抜粋)