[モスクワ 28日 ロイター] – ベラルーシのルカシェンコ大統領は、ロシアのプーチン大統領が武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏の「抹殺」を一時企てたが、説得して思いとどまらせた、と明らかにした。ベラルーシの国営メディアが28日、軍高官や記者団にルカシェンコ氏が語ったプーチン氏との切迫したやり取りの詳しい内容を伝えた。

プーチン氏は当初、ワグネルの反乱を武力鎮圧すると表明したが、結局はルカシェンコ氏が間に入る形で態度を軟化させ、プリゴジン氏やワグネルの戦闘員がベラルーシに出国することに同意した。プリゴジン氏も矛を収め、モスクワへの進軍を停止してワグネルの部隊に宿営地への撤退を命じた。

ただルカシェンコ氏によると、24日に自身が交わしたプーチン氏との会話では、プーチン氏は抹殺を意味するロシアの犯罪者が使う俗語を口にした。

ルカシェンコ氏は、ワグネルに対する暴力的な決定がなされたと理解したと説明した上で「プーチン氏に性急に動かないよう促し、プリゴジン氏や部下の指揮官らと話をしてみようではないかと提案した」と述べた。

これに対してプーチン氏はルカシェンコ氏に「聞いてくれ。それは無駄だ。プリゴジン氏は電話にさえ出ない。誰とも話したくないのだ」と応じたという。

それでもルカシェンコ氏は、プーチン氏に「広い視野」で考えるよう助言し、プリゴジン氏を「消して」しまえばワグネルの戦闘員たちの反乱が広がりかねないと指摘した、と強調した。