• FOMC議事要旨、米自動車販売好調、アメリカン・エクイティ身売り
  • サブプライム自動車ローンABSで損失発生も、英経済にリスク
Jerome Powell, chairman of the US Federal Reserve, during a news conference following a Federal Open Market Committee (FOMC) meeting in Washington, DC, US, on Wednesday, June 14, 2023. Photographer: Sarah Silbiger/Bloomberg

6月の会合で政策金利を据え置いた米連邦公開市場委員会(FOMC)。ただドット・プロット(金利予測分布図)ではタカ派的な予想が示されていました。きょう5日公表された同会合の議事要旨では一部参加者が利上げを支持していたことが明らかになり、6月の利上げ見送りが「タカ派的な一時停止」だったことが確認できたと言えそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

見解に相違

FOMCが6月13、14両日に開いた会合では、全会一致という表向きの決定が示唆するほど参加者の見解はそろっていなかった。一部は利上げを支持しつつも最終的に金融政策維持の判断に賛同したことが、議事要旨で明らかになった。議事要旨は「ほぼ全ての参加者がフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを5-5.25%に据え置くことが適切、あるいは容認できると判断した」とした上で、「一部の参加者は今会合で目標レンジを25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げる方が好ましい、ないし、そうした提案を支持できたかもしれないと示唆した」と記した。

販売好調

米ゼネラル・モーターズ(GM)とトヨタ自動車は4-6月(第2四半期)、米国での販売台数が大きく増加した。GMは19%近く増加して69万2000台。リテール販売は15%増えた。トヨタは7.1%増の56万8962台。6月単月では15%伸びた。またステランティスは3日、4-6月の米販売台数が6%増加したと発表した。半導体供給の改善で自動車生産が増えつつある中、金利上昇にもかかわらず消費者の購入意欲が衰えていないことが示唆される。

提案受け入れ

米保険会社アメリカン・エクイティ・インベストメント・ライフ・ホールディングは、カナダの大手投資会社ブルックフィールドの再保険部門が提示した現金・株式交換方式による43億ドル(約6200億円)の買収案を受け入れた。ブルックフィールド・リインシュアランスはアメリカン・エクイティの未保有株を1株当たり55ドルで買い取る。買収額はアメリカン・エクイティ株の6月23日終値を35%上回る水準。その翌営業日となる26日にブルームバーグは、ブルックフィールドがアメリカン・エクイティ買収で合意に近づいていると報じていた。

損失発生も

米自動車ディーラー2社の経営破綻や返済延滞となっている自動車ローンの急増は、これまで平穏だったウォール街の一角に損失をもたらす恐れがある。資産担保証券(ABS)市場がそれだ。今年破綻した中古車ディーラーのU.S.オート・セールスとアメリカン・カー・センター両社が発行した自動車ローンを担保とする債券は、ここ数週間にディストレスに転じつつある。借り手の返済が滞っており、シティグループは3種の異なる資産担保取引のうち、最もリスクが高い部分の一部は投資家への元本返済を履行できない可能性があるとみている。

英経済にリスク

JPモルガン・チェースは英経済について、インフレを鎮圧するためにイングランド銀行(英中央銀行)が7%まで政策金利を引き上げざるを得なくなり、「ハードランディング(強行着陸)」が誘発されるリスクがあると指摘した。リセッション(景気後退)リスクが高まる中、インフレを抑制下に戻すには主要政策金利が現行の5%から2ポイント上昇しなくてはならないことが、複数の指標で示唆されていると同行エコノミストのアラン・モンクス氏は分析。英経済のハードランディングは「ますます可能性が高まっているようだ」と顧客向けリポートに記した。

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