[ワシントン 5日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)が5日公表した6月13─14日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、「ほぼ全ての」FRB当局者が追加利上げが必要かどうかを見極める時間を確保するために金利据え置きで合意していたことが分かった。ただ、当局者の大半はいずれ追加利上げが必要になると予想していたという。
議事要旨によると、インフレ抑制の進展が遅いため「一部の参加者」は6月利上げを望んだ一方、「ほぼ全ての参加者はフェデラル・ファンド(FF)金利を現行の5.00─5.25%に維持することが適切または容認できると判断した」という。
また「ほとんどの参加者は、今回の会合で(FF金利の)目標レンジを据え置くことで経済の進展状況を評価する時間を稼ぐことができると述べた」とした。
FRBは6月のFOMCで、利上げをいったん停止した。一方、同時に発表した金利見通しは、予想を上回る景気の堅調さと緩慢なインフレ鈍化ペースを踏まえ、年末までに合計0.50%ポイントの利上げを行うシナリオを示した。
議事要旨発表後の市場の見方はほとんど変化せず、FRBの政策金利に連動する先物のトレーダーは7月の利上げ決定を織り込んでおり、年内のさらなる利上げの可能性を3分の1程度と見ている。
FRBのスタッフは年内に「穏やかな景気後退」が始まると依然見ているものの、マイナス成長を回避する可能性はベースラインより少し低い程度にとどまっている。
一方、政策立案者は雇用市場の逼迫が続き、インフレ率も小幅な改善にとどまっていることを示すデータへの対応に苦慮した。経済が弱い可能性が伴いながらも、引き続き経済の強さを示している雇用者数よりも労働市場が弱いことを示す家計調査や、国内総生産(GDP)の顕著な数値よりも弱いと思われる国民所得データを整合させようと試みた。
利上げを1会合だけ「スキップ」するにせよ、長い休止になるにせよ、「待つ」という考え方は政策立案者が指摘したように依然大きな不確実性があることを反映している。
FRBはインフレを抑制するのに十分な利上げを実施しており、引き締め政策の効果が現れるのを待つだけなのか、景気にもっと強く働きかける必要があるのかは不確実なままだ。
議事要旨は「ほとんどの参加者は、経済とインフレの見通しに関する不確実性が依然として高く、追加情報が金融政策の適切なスタンスを検討する上で有益になる」との見解を示した。
6月会合後に発表された予測によると、政策立案者18人のうち16人が年内に政策金利をさらに少なくとも0.25%ポイント引き上げる必要があるとの予想を示した。
短期金利先物市場ではFRBが7月25─26日のFOMCで0.25%ポイントの利上げを決定し、政策金利を5.25─5.50%に設定する可能性が高いと見ている。