[ソウル 10日 ロイター] – 北朝鮮は10日、弾道ミサイルを積んだ原子力潜水艦を米国が朝鮮半島近海に展開させる動きは核紛争が現実に近づく状況を生み出すと非難した。 

米偵察機が最近、北朝鮮東岸付近の領空に侵入したとも主張した。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が国防省報道官の声明を伝えたもので、「米空軍の戦略偵察機が東海(日本海)上空で撃墜されるという衝撃的な事案が起きない保証はない」と述べた。

KCNAは、朝鮮半島に戦略核の装備を展開する米国の動きは北朝鮮と地域の国々に対する露骨な核の脅しであり、平和に対する重大な脅威だと非難した。

「誰も望まない過激な状況が朝鮮半島で生じるかどうかは米国の今後の行動次第だ。突発的な事態が起これば、米国はその全責任を負うことになる」とした。

韓国軍は、領空侵入という北朝鮮の主張は事実ではないと表明。米空軍の偵察機は朝鮮半島周辺で定期的に偵察飛行をしており、韓米両国が密接に協力して北朝鮮を監視していると述べた。

在韓米軍は現時点でコメント要請に応じていない。

米韓両軍は今年、米空母や重爆撃機が参加する合同訓練を実施している。

また、米国は6月、巡航ミサイル搭載可能な原潜を韓国釜山港に入港させた。

米韓首脳は4月、米海軍が核兵器を積んだ弾道ミサイルを搭載できる原潜を1980年代以来初めて韓国に派遣することで合意したが、時期は明らかにしていない。

韓国の尹錫悦大統領は10日に報じられたAP通信へのコメントで、「北朝鮮の核兵器開発を抑止しようとする国際社会の決意は北朝鮮の核兵器開発の願望よりも強い」と示す時だと述べた。

尹氏は今週、リトアニアで開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席し、北朝鮮の核開発の脅威についてNATO加盟国との協力強化を求める見通し。