中国の不動産大手「中国恒大集団」の本社が入るビル

 【北京=山下福太郎】経営危機に陥っている中国の不動産大手「中国恒大集団」は17日、2021年12月期と22年12月期の連結決算を発表した。22年12月期の負債総額は約2兆4300億元(約47兆円)に達し、債務超過に転落した模様だ。

 開発中や販売目的で保有している不動産の評価損のほか、土地回収の関連費用や金融資産の価格下落による損失が広がった。主力とする不動産販売も大きく落ち込み、同期の売上高は2300億元にとどまった。ゼロコロナ政策に伴う中国国内での不動産市況の悪化も大きく影響している。

 恒大が今後も事業を継続するには海外を中心とした債権者の同意が欠かせず、再建の道筋は一段と不透明感が強まった格好だ。

 恒大の経営危機は21年に表面化した。昨夏には夏海鈞・最高経営責任者(CEO)が、財務を巡る不正を理由に事実上解任されるなど、経営は混乱している。