[フィラデルフィア 4日 ロイター] – バイデン米大統領はレーバーデーの祝日となる4日、来年の大統領選挙に向けて重点州での支持強化を図るため、激戦地ペンシルベニア州で労働組合向けに演説を行った。
インフレが緩和し失業率が低下しているにもかかわらず、経済に不安を抱く国民に自身の経済政策を説明。「この国で雇用が失われていたのはそれほど昔のことではない。実際、私の前任者は当選時よりも国内雇用が減少したまま退任した歴史上2人の大統領のうちの1人だった」とトランプ前大統領への批判を展開した。
また、自身の政権下での雇用創出実績を示し、共和党大統領の下では雇用が中国に流出し、トランプ氏の下では米国内の雇用が縮小したと揶揄(やゆ)した。
2017年1月のトランプ氏就任後に失業率は低下し、在任期間の大部分にわたり雇用市場は堅調な伸びを示していたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で景気が減速する中、任期終盤に向けて失業が大幅に増加した。
トランプ氏の広報担当、スティーブン・チャン氏は「(バイデン氏が)米国の雇用を破壊し、無謀な大型政府支出でインフレ高進をあおり続けている」と批判し、トランプ氏は在任中に景気回復をもたらしたと反論した。
ペンシルベニア州はアリゾナ、ジョージア、ウィスコンシン州などとともに勝敗を左右する重要州。
先月のロイター/イプソス調査によると、米国民の最大の関心事は依然として経済、失業、雇用で、60%がバイデン氏のインフレ対応に批判的だった。