• ISM非製造業は6カ月ぶり高水準、ボストン連銀総裁、英中銀総裁
  • アップル株が1カ月ぶり大幅安、経済の伸び鈍化とベージュブック
A tourist speaks with a tour guide under the shade of an umbrella, near the Houses of Parliament, during hot weather, in London, UK, on Wednesday, Sept. 6, 2023. 
A tourist speaks with a tour guide under the shade of an umbrella, near the Houses of Parliament, during hot weather, in London, UK, on Wednesday, Sept. 6, 2023.  Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

英国の人々は今週、「熱帯夜」を過ごしているようです。英気象庁によると、日没後の気温は6、7日に9月としての記録を更新する可能性があるとのこと。欧州西部や中部も同様で、パリでは8日に最高気温33度が予想されています。ここ、ニューヨーク市内も今週は蒸し暑い日が続いています。秋の始まりとされるレーバーデーを過ぎたのに、夏本番のような暑さ。欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス」は、世界の気温が今夏に史上最高を大きく更新したと指摘しました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

全ての予想上回る

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業総合景況指数は前月比1.8ポイント上昇の54.5と、6カ月ぶりの高水準。ブルームバーグがまとめた市場予想の全てを上回った。新規受注が同じく6カ月ぶりの高い水準となったほか、雇用指数は2021年11月以来の高水準を記録した。不動産、賃貸・リース、宿泊・飲食サービスなど13業種で活動が拡大。仕入価格指数は4カ月ぶりの水準に上昇した。個人消費と経済全体の強さが浮き彫りになった。

「一段の引き締め正当化も」

米ボストン連銀のコリンズ総裁は、金融政策当局者は次のステップを検討するために経済データを見極める中、忍耐強くあることが求められると指摘。トレンドが示すところに基づけば、一段の引き締めがなお必要かもしれないと述べた。講演で「政策サイクルのこの局面では、進路を維持する中、忍耐強さや総体的なデータ評価が求められる」と発言。「政策金利のピークに近い、もしくはそこに達しているかもしれないが、今後発表されるデータ次第では一段の引き締めが正当化される可能性がある」と話した。

「サイクルの頂点付近」

イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は、政策金利をさらに引き上げる必要はなくなった可能性があるとの認識を示した。インフレは年内に「著しく」低下する公算が大きく、金融政策は恐らく「サイクルの頂点付近」にあると考えられるという。ベイリー氏は議会財務委員会の公聴会で、「多くの指標は今のところ、われわれが想定していた通りに動いている」とし、「指標はインフレ率の低下が続くことを示唆している」と証言。「金利についてはサイクルの頂点にかなり近づいた」と述べた。

アップル大幅安

6日の米株式市場ではアップルの株価が3.6%安と、約1カ月ぶりの大幅安で引けた。中国の政府機関が同社の「iPhone」をはじめとする外国ブランドのデバイスを職場で使用することを禁じているとの報道が材料視された。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、「一部」の中央政府機関で職員がこうした端末の職場への持ち込みをやめるよう指示されている。チャットグループやミーティングを通じて出されているこの指示が、どの程度広がっているかは不明だという。

米経済と雇用は鈍化

米地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、米国の経済と雇用市場の伸びは7月と8月に鈍化した。ベージュブックは「大半の地区の調査先が、経済成長は緩慢だったと指摘した」と記述。また、ほぼ全ての地区で企業は「賃金の伸びが短期的に広い範囲で鈍化するという、これまで実現しなかった予想をあらためて示した」としている。「大半の地区は物価上昇が総じて減速したと報告した。減速ペースは製造業と消費財のセクターでより速かった」とも指摘した。

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