- 「景気悪化の兆候ない」、日本株見通し上げ、円に代わる調達通貨
- 来年はリスク資産に厳しい年、シティが地域部門で管理職層を廃止
この週末に筆者が出かけたニューヨークのスーパーマーケットでは、ハロウィーンを意識した巨大パンプキンが早くも店頭に並んでいました。今年のホリデーシーズンについて、ディスカウントストアのウォルマートは「かなり良好」なものになると予想。一方で、高級百貨店のサックス・フィフス・アベニューでは過去3年に見られたような強さは期待できなさそうだとしています。鈍化の兆しも示されている米個人消費。年末商戦はまもなく本格化しそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
「景気悪化の兆候ない」
イエレン米財務長官は、米国にリセッション(景気後退)が迫っている兆候は見られないと語り、全米自動車労組(UAW)によるストライキが経済にどんな影響を及ぼすか判断するのは時期尚早だとの考えを示した。CNBCとのインタビューで「景気の悪化リスクを示す兆候は一切見られない」と述べた。UAWのストについては、バイデン政権としては労使が解決に向けて「昼夜を問わず」交渉に臨むことを期待していると発言した。
日本株見通し引き上げ
ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストは、今後数カ月の円相場は大きく上昇しない可能性が高いとの見方を基に、日本株の見通しを引き上げた。建部和礼、ブルース・カーク両ストラテジストはリポートで、比較的堅調な日本経済が続くと予想されるとして、TOPIXの1株当たり増益率予想を4月1日からの今会計年度で12%、その後2年間をそれぞれ8%と7%に上方修正した。同3年間に円が1ドル=145円で推移するとの見方に基づいている。
円に代わる調達通貨
世界の為替投機家にとって長い間、キャリートレードは頭を悩ます必要のない取引手法だった。ゼロ金利政策を続ける日本の円で資金を調達し、より高い利回りを提供する他の国・地域への投資で利ざやを稼ぐだけのことだったからだ。しかし今や円に代わる低コストの調達手段が台頭しつつある。中国の人民元だ。ここ1カ月でインベスコやゴールドマン・サックス、シティグループ、TDセキュリティーズが、キャリートレードの資金調達通貨としての人民元の利用を魅力的なオプションとして勧めた。
リスク資産に厳しい年
米経済の底堅い成長を背景に今年の株価は大きく上昇してきたが、来年のリスク資産に対する投資家の見方はここに来てネガティブに傾いていると、モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏が指摘した。またJPモルガン・チェースのマルコ・コラノビッチ氏は、中央銀行が金利を従来の想定よりも高く引き上げ、一段と長期間維持する可能性が膨らむ中で、株式のバリュエーションはますますリスクに直面していると論じた。
管理職層を廃止
米シティグループは、ジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)が先週発表した過去20年で最大規模の組織再編の一環として、特定地域を対象に管理職層を廃止する。今回の組織再編で最高顧客責任者に指名されたデービッド・リビングストン氏は、長期戦略に沿った組織構造を実現していくための再編だとブルームバーグテレビジョンのインタビューで語った。リビングストン氏は以前、欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域の責任者を務めていた。
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