- ウクライナ支援予算の承認をと米大統領、米下院議長の解任動議計画
- FRB議長とECB総裁、中国PMI、アップル過熱問題で説明
カーター元米大統領が10月1日に99歳の誕生日を迎えました。カーター氏の名前を冠した図書館と博物館はしかし、祝賀行事を1日前倒しにし9月30日に実施。予算案に関する民主・共和両党の合意がまとまらず、こうした図書館などの政府機関が1日に閉鎖される恐れがあったためです。議会は土壇場でひとまず、つなぎ予算案を可決しましたが、繰り返される攻防は各方面に影響を及ぼします。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
ウクライナ支援確保を
米議会は9月30日に、11月17日までのつなぎ予算案を可決。政府機関閉鎖を土壇場で回避した。ウクライナへの新たな支援は含まれていないが、民主・共和両党は、より長期的な連邦政府予算について交渉する時間を確保。バイデン大統領は同日に署名した。バイデン氏は1日、マッカーシー下院議長(共和)に対し、ウクライナ支援の新たな予算を承認するよう求めた。「ウクライナが侵略と残虐行為から自国を守るのに必要な法案の可決と支援を確保するとのコミットメントを議長が果たすと期待している」と述べた。
週内に解任動議
マッカーシー下院議長が連邦政府機関の閉鎖回避のため超党派での合意取りまとめに注力したことを受け、共和党内の保守強硬派から議長解任を目指す動きが出てきた。ゲーツ下院議員(共和)は1日、「マッカーシー下院議長の解任動議を今週提出するつもりだ」とCNNの番組で発言。「信頼の置ける新たなリーダーと共に前進する必要がある」と語った。同議員は、つなぎ予算案には共和党の保守強硬派が要求してきた大幅な歳出削減が盛り込まれていないと指摘。「これは個人的な問題ではない。歳出に関することだ」と述べた。
手掛かり探る
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長と欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、今週いずれも公の場で発言機会があり、投資家はこの先の手掛かりを探ることになる。パウエル議長は2日に小規模事業者らとの円卓会議に臨む。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁も同席する。週内にはこのほか、クリーブランド連銀のメスター総裁やアトランタ連銀のボスティック総裁、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁らの講演が予定されている。ラガルド総裁は4日にECB主催の会議で講演を行う。
不安定な回復ぶり
中国の製造業活動を測る民間指標は9月に拡大ペースが鈍化した。9月の財新製造業購買担当者指数(PMI)は50.6に低下し、活動拡大・縮小の境目の50に接近。エコノミスト予想を下回った。財新サービス業指数は50.2と、拡大の勢いを失いつつあることを示唆した。中国政府が景気刺激策を打ち出しているにもかかわらず、やや不安定な回復を示している。国家統計局が前日に発表した9月の製造業PMIは50.2に上昇し、3月以来の活動拡大を示したものの、50のラインを辛うじて上回る水準にとどまった。
過熱
米アップルはスマートフォン「iPhone」の新型モデルが熱くなり過ぎるというユーザーからの最近の苦情について、ソフトウエアとアプリに関連するバグが原因だと説明し、間もなく修正されることを明らかにした。熱くなり過ぎる原因となっているアプリの開発者と協力していると説明。ハードウエア変更が過熱問題の一因になった可能性があるとの指摘も一部であったが、アップルは「iPhone 15 Pro」シリーズのハードウエアとの関連を否定した。
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