- 中銀の予測は「100%の大間違い」、中国が異例の予算修正
- 自動車スト拡大、米財政赤字ほぼ倍増、30余りの州がメタ提訴
「経済のハリケーンに備えよ」など、発言が注目を集めるJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)。サウジアラビアで開催中の国際投資会議では、現在の地政学情勢は極めて複雑になっており、自然に解決すると考えるのは希望的観測だと述べました。「地政学」は特にビジネスの世界でキーワードとなっており、決算電話会見や当局への提出書類で頻出しています。今年の数はハマスがイスラエルを攻撃する前、9月の段階でおよそ1万2000回。2年前からは約3倍増です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
中銀の「大間違い」
JPモルガンのダイモンCEOは約1年半前に各地の中央銀行は金融予測で「100%の大間違い」を犯した事実を踏まえ、来年の見通しについて謙虚になるべきだと主張。インフレ上昇と世界の成長鈍化から生じる経済への打撃を、世界中の中銀や政府が管理できるのかと疑問を呈した。同じパネル討論会に出席していたブリッジウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオCEOは24年の世界経済見通しについて、高水準の公的債務、紛争、混乱など幾つかのリスクを挙げ、「悲観的だ」と述べた。
異例の予算修正
中国の習近平国家主席が経済を支援する姿勢を鮮明にしている。追加の国債発行や財政赤字拡大を決めたほか、異例の中国人民銀行(中央銀行)訪問を行った。来年にかけて景気の先行きに指導部が不安を抱えていることを反映しており、政府が経済と金融市場の強化を重視していることの表れだ。主要閣僚の交代も相次ぎ発表され、動静が途絶えていた李尚福国防相を更迭したほか、既に外相を解任されていた秦剛氏は、残る国務委員の地位も剥奪された。劉昆財政相の後任として、藍仏安氏を指名した。
自動車スト拡大
全米自動車労組(UAW)は自動車メーカーに対するストライキを再び拡大した。ゼネラル・モーターズ(GM)のテキサス州アーリントン組立工場で5000人の組合員がストに参加。ストに突入した組合員の総数は4万5000人余りとなった。UAWは現在、ビッグスリーの最も収益性の高い3工場を閉鎖に追い込んでいる。一方、GMの7-9月決算は利益が予想を上回ったものの、最大140億ドル(約2兆1000億円)の通期利益見通しを撤回。ストライキで業績予測が困難になった。
米財政赤字が倍増
米経済がほぼ全ての予想を上回るパフォーマンスを示した1年間に、連邦財政赤字はほぼ倍増した。厳しい財政見通しを浮き彫りにしており、予算を巡る党派間の対立は悪化の一途をたどる可能性が高い。2023会計年度(22年10月-23年9月)の財政赤字は、バイデン大統領の学生ローン返済免除プログラムが及ぼした影響を除き2兆200億ドル(約302兆円)と、前年比1兆200億ドル増加した。
メタを提訴
米カリフォルニア州など30余りの州がメタ・プラットフォームズを訴えた。同社傘下のインスタグラムやフェイスブックが利益をあげることを優先し、若者に有害なコンテンツを提供していると原告団は主張している。これに対してメタは発表文で、10代の若者らが安全にインターネットを利用できる環境の維持に取り組み、青少年やその家族の支援に30以上のツールを導入していると説明した。
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