[チューリヒ 30日 ロイター] – スイスの金融大手UBS(UBSG.S)は30日に発表したリポートで、10億ドル以上の資産を保有する「ビリオネア」は昨年全世界で2544人で、7%増加したと発表した。総資産は約12兆ドルと9%増えた。

新たにビリオネアとなったのは137人。このうち53人は資産相続によるもので総額1508億ドルを受け継いだ。自ら資産を増やしたのは84人で資産総額は1407億ドルだった。

相続による資産が自らの事業活動による資産を上回ったのは2015年の調査開始以来初めてという。

UBSは世代を超えた富の移転が加速していると分析した。UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの戦略的顧客部門責任者ベンジャミン・カバリ氏は「1000人以上のビリオネアが約5兆2000億ドルを子供たちに相続するため、今後20年間はこの傾向がさらに強まるだろう」と語った。

世代交代はUBSにとって大きなチャンスであると同時に、長年の関係が終わり富の所有者が変わるというリスクも伴うと指摘した。