- 米民間雇用者の伸び減速、来年のECB利下げ6回を市場織り込む
- シティ株上昇、マッカーシー氏議員辞職、ビットコイン関連株空売り
「罪の都市」という異名をとるラスベガスが、コロナ禍前に迫る回復を見せています。今年はテイラー・スウィフトやビヨンセ、U2といった大物ミュージシャンの公演に加え、自動車レースのF1グランプリなどが、10月末までに3400万人以上を引き寄せました。来年2月にはNFLのスーパーボウルが開催。MLBのオーナー会議は先月、オークランド・アスレチックスのラスベガス移転を正式決定しています。かつて砂漠だった町はギャンブルと性産業の都に変身した後、コロナ禍を経て、音楽とスポーツの都市に変わろうとしているのかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
冷え込み
米民間企業の雇用は11月に10万3000人増とペースが鈍った。製造業の雇用者数は2022年初め以来の低水準に減少。労働市場の熱が下がってきている新たな証拠となった。新型コロナウイルス禍後の雇用回復を率いてきた娯楽・ホスピタリティーでは、2021年2月後で初めて雇用者数が減少した。ADPのネラ・リチャードソン氏は「娯楽・ホスピタリティーが過去のトレンドに戻ったことは、経済全体での雇用と賃金の伸びが来年に鈍化することを示唆する」と述べた。
来年の利下げ予測
欧州中央銀行(ECB)は十分な引き締めを行ったとの見方を当局者らが示す中で、トレーダーは2024年の利下げ幅の予想を拡大させている。市場は2024年に6回の0.25ポイント利下げがあるとの予想を、一時完全に織り込んだ。合計1.5ポイントの利下げで中銀預金金利は2.5%に低下することになる。利下げが1-3月(第1四半期)に始まる確率も約80%とみられている。ECB政策理事会メンバーで特にタカ派的とされるシュナーベル理事は、ロイター通信との最近のインタビューで、インフレ率の低下は「目覚ましく」、展開は「心強い」と述べた。
見通し変わらず
米銀シティグループの株価が大きく上昇。同行のトレーディング収入は低迷する公算が大きいものの、先に示した通期収入見通しを達成する軌道にあるとマーク・メイソン最高財務責任者(CFO)が述べた。同氏は780億ドル(11兆4760億円)から790億ドルの通期収入予想に変わりはないと発言。ただ、レンジの下限にとどまる可能性が高いと述べた。シティは事業再編費用として10億ドルを引きあてる必要があった後も、約540億ドルの経費をなおも見込むという。
危うい優位
米共和党のケビン・マッカーシー下院議員は、年末をもって議員を辞職すると明らかにした。10月に下院議長を解任されるまでの短い期間、共和党トップとして下院を率いていた同氏は、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)に寄稿した論説で、「新しい形で米国に貢献する」考えを説明した。先週には共和党のジョージ・サントス氏が下院から除名されており、マッカーシー氏の議員辞職は少なくとも一時的には下院での共和党優勢をもう一人分減らすことになる。
予想外の打撃
暗号資産(仮想通貨)ビットコインが今年は大幅に上昇し、仮想通貨関連株の下落を見込んだ空売り投資家は大打撃を受けている。S3パートナーズのデータによれば、コインベース・グローバルやマイクロストラテジー、マラソン・デジタル・ホールディングスといった仮想通貨関連企業の株価下落を見込んだ取引の含み損は、年初来で計60億ドル(約8800億円)に膨らんだ。ビットコインは今年に入り165%余りの大幅上昇を記録。ビットコイン価格と大きく連動する関連銘柄の株価を押し上げている。
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