▽安倍派の政務三役15人全員を近く交代へ、政治資金問題で-報道<bloomberg日本語版>2023年12月11日 9:23 JST
- 13日の国会閉会後に大規模人事か、安倍派一掃で政権基盤は弱体化
- 無派閥の浜田前防衛相、梶山幹事長代行の要職起用で検討との報道も
自民党安倍派の政治資金パーティーを巡る問題で、岸田文雄首相は同派所属の閣僚、副大臣、政務官の政務三役を近く全員交代させる意向を固めたと10日の朝日新聞電子版が報じた。党の要職にある同派議員の交代も検討しており、事実上の内閣改造といえる大規模な人事となる。
同派に所属する政務三役は計15人。事務総長を経験していた松野博一官房長官、西村康稔経済産業相に加え、裏金のキックバック(還流)の受け取りを否定している鈴木淳司総務相、宮下一郎農林水産相も含む。党幹部でも萩生田光一政調会長、高木毅国会対策委員長も交代させる意向で、世耕弘成参院幹事長についても交代を検討しているという。NHKによると、人事は13日の国会閉会後になるという。
2021年10月に発足した岸田政権は最大派閥の安倍派から松野氏ら「5人衆」と呼ばれる幹部を政府・自民党の要職に据えることで党内バランスを図ってきた。安倍派の裏金疑惑は幹部以外の議員にも広がりを見せつつあるが、同派議員の一掃は政権基盤の弱体化につながり、首相の求心力がさらに低下する可能性がある。
11日午後には岸田首相や松野、西村両氏らが出席し、参院本会議が開かれる。野党側が裏金疑惑を追及するのは必至だが、松野、西村両氏は先週の予算委員会でも、裏金疑惑について具体的な説明を拒否している。岸田首相は同日午前、国民の信頼回復と国政の遅滞を生じさせないため、「適切なタイミングで適切な対応を考えていきたい」と記者団に語った。
一方、毎日新聞は11日の電子版で、岸田首相が交代させる安倍派幹部の閣僚・党役員の後任として無派閥の浜田靖一前防衛相や梶山弘志幹事長代行を起用する検討に入ったと関係者の取材を基に報じた。
内閣支持率は朝日、読売、毎日の主要各紙が11月に実施した世論調査でいずれも20%台に落ち込んでおり、2012年12月に自民党が政権復帰して以来の最低水準を更新している。
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