- 米CPIは伸び加速、日鉄によるUSスチール買収の審査長期化へ
- 米連銀総裁の見解、イランがタンカー拿捕、モルガンS支払いへ
中国で掘削機などの建機の販売が落ち込んでいます。ブルームバーグの集計によると、2023年の国内販売台数は前年比4割も減少し、2020年水準の3分の1未満となりました。背景には不動産市場の低迷があります。景気のバロメーターとされる掘削機の売り上げ減少は、経済への重し。12日に発表される中国の物価統計も引き続き、体温の低さを示す内容になるとみられています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
早期利下げ観測に逆行
昨年12月の米消費者物価指数(CPI)統計で、総合指数は前月に比べて伸びが加速した。米金融当局が近く利下げを開始するとの市場の見方に逆行する格好となった。前年同月比では3.4%上昇と、3カ月ぶりの大きな伸び。前月比では0.3%上昇に加速した。いずれも市場予想を上回った。コア指数は前年比3.9%上昇。市場予想は3.8%上昇だった。住居費や電気代、自動車保険などが上がった。中古車は2カ月連続の上昇となった。
審査は予想より長期化へ
日本製鉄の米USスチール買収計画に関して、米当局による国家安全保障上の審査は年内には結論が出ず、2025年に突入する可能性がある。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。両社が公に示していた見通しよりも、かなり長期化することになる。関係者によれば、対米外国投資委員会(CFIUS)による審査はまだ初期段階にある。日本製鉄の広報担当者はコメントを控えた。
3月利下げは「早過ぎる」
米クリーブランド連銀のメスター総裁は、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利下げを検討するのは時期尚早との見解を示した。「私の見通しでは、3月は利下げ時期として恐らく早過ぎる。さらなる証拠を見る必要があるためだ」と、ブルームバーグテレビジョンで述べた。リッチモンド連銀のバーキン総裁は、インフレ率が当局目標の2%に向かっている証拠をさらに得たいとの考えをあらためて示した。
イランがタンカー拿捕
イランがオマーン沖で石油タンカーを拿捕(だほ)した。世界の原油供給において最も重要な貿易ルートでの緊張が高まっている。イランは「米国による原油の窃盗への報復」として、「セントニコラス号」を差し押さえたと、半国営メヘル通信が報じた。今回の事件は中東で起きている海運の混乱にイランを直接的に巻き込むものだ。紅海では過去2カ月にわたり、主にイエメンの親イラン武装組織フーシ派による船舶への攻撃が相次いでいる。
ブロック取引問題を決着へ
米銀モルガン・スタンレーは、同一銘柄を一度に大量に相対取引で売買するブロック取引の慣行を巡る問題を決着させるため、2億-3億ドル(約290億-440億円)を支払うことで当局と合意に近づいている。事情に詳しい複数の関係者によれば、モルガン・スタンレーと、マンハッタンの連邦検察当局ならびに米証券取引委員会(SEC)との合意は数日内に発表される可能性がある。モルガン・スタンレーの刑事責任は問わないという。
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