政治刷新本部に臨む岸田首相(奥中央)(11日、自民党本部で)
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、岸田首相(党総裁)が設置した「政治刷新本部」に「清和政策研究会」(安倍派)から加わった9人の国会議員側が、派閥からのキックバック(還流)などによりパーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載していない疑いのあることがわかった。同本部は派閥のあり方や政治資金の透明性を高める方策を検討するために設置され、メンバー38人のうち安倍派所属議員は10人。
安倍派の複数幹部、キックバックは「派閥会長が決定する案件」…会計責任者との共謀も否定
同派では2022年までの5年間に約100人の議員側が還流やプールにより総額5億7000万円超を裏金化した疑いがあり、うち約80人は現在の所属議員であることが判明している。
関係者によると、同派のメンバー10人のうち、本部長代理の岡田直樹・前地方創生相、副本部長の野上浩太郎・元農相と、幹事の佐々木紀、上野通子、太田房江、松川るい、吉川有美、事務局次長の藤原崇、高橋はるみの7氏は、5年間で数百万~数十万円を関連政治団体の収支報告書に記載しなかった疑いがあるという。
東京地検特捜部は同派の会計責任者を政治資金規正法違反で立件する方針。派閥幹部の関与の有無について詰めの捜査を進めており、近く最終判断する見通し。