Serene Cheong
- イランが支援する武装勢力の無人機攻撃で米兵3人死亡
- 北海ブレント原油は一時1.5%高、WTIは79ドルに向かい上昇
原油相場がアジア時間29日朝に急伸。イランが支援する武装勢力によるヨルダンの駐留米軍基地への無人機攻撃や、紅海でのタンカー攻撃を受け、エネルギー生産と世界貿易の鍵を握る中東地域の緊張が著しく高まった。
北海ブレント原油は週明けの取引で一時1.5%高。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は1バレル=79ドルに向かって上昇した。
米国の発表によると、イランが支援する武装勢力はシリア国境付近で無人機攻撃を実施。米兵3人が死亡し25人が負傷した。イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以来、敵の攻撃で米国人が死亡したのは今回が初めて。これに先立ち26日には、トラフィグラ・グループの委託でロシア産燃料を運んでいたタンカーを親イラン武装組織フーシ派がミサイル攻撃した。
RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、マイケル・トラン氏は、「地政学的リスクが急速に地政学的現実へと進化している」と指摘。世界の原油価格は紅海での緊張の高まりをまだ十分に反映していないが、週末の出来事は原油価格と供給の安全性に関する見通しの再調整を促すきっかけになる公算が大きいと分析した。
北海ブレント先物3月限はシンガポール時間午前7時34分(日本時間同8時34分)時点で1%高の1バレル=84.42ドル。WTI先物3月限は1.1%高の78.87ドル。
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原題:Oil Jumps After Separate Attacks Escalate Middle East Tensions (抜粋)