- 米利下げ急がない姿勢示唆、米地銀不安再燃、インフレ緩和の兆し
- トランプ氏有罪なら支持せず、米国債への需要下支えか
米大統領選の激戦州では移民問題が争点に急浮上してきました。最新世論調査によると、大統領選で最も重視する問題は経済が依然トップ。しかし、その割合は調査開始以降で最も低い水準となる一方、移民を挙げる回答が顕著に増えています。メキシコとの国境に押し寄せる移民の様子がメディアで連日取り上げられていることも要因ですが、物価高に落ち着きの兆しが出ていることで、有権者の関心は他の問題にも向き始めています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
利下げ急がず
米連邦公開市場委員会(FOMC)は1月30-31日に開催した定例会合で、4会合連続の金利据え置きを決めた。また金利引き下げにオープンな姿勢を示唆した一方、必ずしも直ちに利下げが必要なわけではないとの認識も示した。声明では、利上げの可能性を示唆する文言を削除し、代わりに今後の政策の道筋に関してより偏りのない文言が採用された。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は、記者会見で3月利下げの可能性が高いとは考えていないと述べた。
地銀不安再び
2023年に破綻した米地銀シグネチャー・バンクから預金を買い取ったニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)は、同年10-12月(第4四半期)決算が予想外の赤字となり、配当を引き下げた。NYCB株は一時、上場来最大の値下がりを記録。他の地銀株にも売りが波及した。預金買い取りが減配と予想以上の引当金積み増しの原因となったとNYCBは説明。貸倒引当金は5億5200万ドルと、アナリストが見込んでいた4500万ドルの10倍余りに膨らんだ。
インフレ緩和の兆し
1月の米民間企業の雇用者数は10万7000人増と、伸びが市場予想(15万人増)を下回った。労働市場が徐々に冷え込んでいる状況を示唆している。転職した人の賃金は7.2%上昇と、2021年5月以来の低い伸び。同じ職にとどまった人の賃金も伸びが鈍化した。10-12月の米雇用コストは前期比0.9%上昇と、2021年以来の小幅な伸び。インフレ圧力緩和の新たな兆候が出現したことで、FOMCには今年政策金利を引き下げる余地が生じる。
トランプ氏有罪なら
今年の米大統領選挙に向け共和党の候補指名獲得を目指しているトランプ前大統領だが、有罪となった場合には激戦州の過半数の有権者は支持しない考えだ。新たな世論調査によると、勝敗を左右する激戦州7州の有権者の53%が、トランプ氏が有罪となるなら大統領選で同氏に票を投じないだろうと回答。実刑判決が下される場合、この数字は55%に上昇する。主要州でバイデン大統領に対してリードを続けるトランプ氏にとって、警戒すべき兆しだ。
来年まで増額なし
米財務省は四半期定例入札で、中長期債の発行規模を前四半期に比べて拡大した。規模拡大は3回連続だが、同省は来年までさらなる増額はないことを示唆。投資家はここ数カ月にわたり、政府証券の供給全般に関する情報に特に神経をとがらせており、これにより米国債への需要は下支えされる可能性がある。来週の入札での3、10、30年債の発行額は計1210億ドル(約17兆8600億円)で、大半のディーラーの予想通りだった。
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