- 輝き失ったアップル株、ビットコイン最高値更新、商業用不動産懸念
- トランプ氏出馬容認で最高裁に渦巻く不協和音、MUJIで団地再生
スーパーチューズデーで注目したい州の一つがミネソタ州。激戦州であるミシガン州と同様にイスラム系有権者が多いことで知られます。先月行われたミシガン州民主党予備選では、全体の13%余りに相当する有権者が「支持候補なし」に票を投じました。民主党の歴史的牙城であるミネソタ州は激戦州ではありませんが、「支持候補なし」が多ければ、ガザでの戦闘休止でイスラエルに圧力をかけるよう求める声が民主党内で強まる中、本戦に向けたバイデン氏の求心力に影響しそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
我慢の限界
米アップルが電気自動車(EV)開発を中止し、そのリソースを人工知能(AI)プロジェクトに振り向けるという決断は、1年前なら投資家を喜ばせていたかもしれない。しかし、アップル株の低迷は深まるばかりだ。先週の株主総会でティム・クック最高経営責任者(CEO)はAIで「新天地を切り開く」と語ったが、実際の取り組みについて詳細はほとんど明らかにしていない。投資家はAI分野での出遅れにしびれを切らしており、株価は年初来で11%余り下落している。
最高値更新
暗号資産(仮想通貨)ビットコインは5日の取引で初めて6万9000ドルを超え、2年余り前に付けた過去最高値を更新した。現物型上場投資信託(ETF)への需要や、次の「半減期」が迫っていることが背景。最高値に基づく年初来の上昇率は約63%と、世界の株式をアウトパフォームしている。OSL・SGのトレーディング責任者、シュテファン・フォンヘーニッシュ氏は「これまで相場を傍観していた参加者は真剣なFOMO(乗り遅れ恐怖症)に襲われるだろう」との見解を示した。最高値更新後は利益確定の動きに押されて下落した。
痛み見極め
商業用不動産へのエクスポージャーの高い銀行を債券投資家が罰する格好となっている。ウォール街は不動産債務の痛みが金融システムにどの程度広がるかを見極めようと躍起になっているため、銀行の収益がさらに圧迫される可能性がある。バークレイズによると、地銀持ち株会社ウェブスター・ファイナンシャルの商業用不動産エクスポージャーは自己資本の250%余りに相当する。同行の2029年償還債は、200ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近いスプレッドで取引されている。
水面下で摩擦
トランプ前米大統領は今年の大統領選に出馬する資格があると、連邦最高裁判所は表向きは全会一致で判断したが、リベラル派3判事が出した「同意意見」は最終判断に憤りを感じていることを隠さない。反乱に関与した人物の公職就任を禁じた憲法修正14条3項が保守派判事らによって不必要に骨抜きにされたとして、3人は辛辣(しんらつ)な批判を浴びせている。3判事は「慎重な扱いを要するケースが司法による抑制を強く求めていたが、最高裁はその道を進まなかった」と同意文書に記述した。その題とは異なり、中身は反対意見のように受け止められる。
よみがえる団地
無印良品を手がける良品計画と都市再生機構(UR)が、老朽化した団地を改修して新たなビジネスを創出し、若い居住者を呼び戻そうとしている。高齢化した住民の孤立が深刻化する中、改修をきっかけに若者との交流が始まるなど問題解決の糸口が見えつつある。12年から実施している住戸リノベーションは、若い世代を団地に呼び込むことに成功。これまで61団地、約1200戸で行ったが、居住者は75%が40歳代以下で、高齢者の比率が37%に上るUR賃貸住宅全体に比べ若年層が多い。
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