• パウエル議長が議会証言、NYCBが増資、ヘイリー氏が撤退表明
  • 対中半導体輸出規制で強化迫る、日銀は高水準の賃上げ実現に自信
Commuters walk past platform barriers at the the Clark Street subway station in New York, Feb. 5, 2024. 
Commuters walk past platform barriers at the the Clark Street subway station in New York, Feb. 5, 2024.  Photographer: Yuki Iwamura/Bloomberg

ニューユーク市地下鉄の治安改善に向け、ニューヨーク州のホークル知事は州兵750人を駅構内などに動員する方針を明らかにしました。知事はまた、地下鉄などでの暴力で有罪判決を受けた者の公共交通機関利用を裁判所が禁止できるようにする法改正も目指しています。今年に入って地下鉄では銃撃事件が相次ぎ発生。ニューヨーク市警によると、1-2月の地下鉄内での逮捕件数は前年比45%増の3000件で、その多くが再犯者によるもの。通勤で毎日利用する乗客の一人として、安全は切なる願いです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

さらなる確信必要

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、金融当局としてインフレとの闘いで勝利したとの確信を得るまでは性急に利下げに動く考えはないと改めて表明した。下院金融委員会で半期に一度の議会証言に臨んだ議長は、「年内いずれかの時点で」利下げを開始するのが適切になる可能性が高いとしつつ、当局としてまだその用意はないことを明確にした。公聴会ではこのほか、大手銀行を対象とした資本要件引き上げ案が大幅に変更される可能性が高いことを明らかにした。

NYCBが増資

ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)は、ムニューシン元財務長官が経営するリバティ・ストラテジック・キャピタルなどから計10億ドル(約1490億円)以上の出資を受けたと発表した。ジョセフ・オッティング元通貨監督庁(OCC)長官を新たな最高経営責任者(CEO)に指名したことも明らかにした。同行は貸倒引当金が予想以上に膨らみ、配当を削減したことを受け、株価が今年に入って大幅に下落。先週には融資審査プロセスに関する内部統制に「重大な脆弱(ぜいじゃく)性」を確認したと明らかにしていた。

バイデン対トランプ

ヘイリー元国連大使が米大統領選共和党候補指名争いから撤退すると表明し、トランプ前大統領の指名獲得が確実な情勢となった。マコネル上院院内総務は共和党候補としてトランプ氏を支持すると表明。最後まで支持を明確にしていなかった党内エスタブリッシュメントもトランプ氏支持でまとまった。トランプ氏とバイデン氏による再対決がほぼ確実となった大統領選について富豪イーロン・マスク氏は、いずれの候補者にも献金しない意向を示した。マスク氏は3日にトランプ氏と面会しており、同氏に献金するとの見方も出ていた。

中国の抜け穴ふさぐ

米政府は日本やオランダ、ドイツ、韓国を含む同盟国に対し、中国による半導体技術へのアクセスを制限する措置を一段と強化するよう迫っている。複数の関係者が明らかにしたもので、米国の取り組みに一部の国は抵抗している。バイデン政権は、中国が国産半導体の製造能力を構築するのを遅らせるため、過去2年間にわたって輸出規制を導入してきた。米国はさらに、フォトレジストなど半導体製造に不可欠な特殊材料の対中輸出を日本企業が制限することを求めている。フォトレジストの主要メーカーにはJSRや信越化学工業が含まれる。

賃上げ実現に自信

日本銀行はこれまでの企業の賃上げ表明やヒアリングなどを通じて、昨年を上回る高水準の賃上げ実現に自信を深めている。複数の関係者が明らかにした。市場で強まっている3月か4月の金融政策決定会合でマイナス金利が解除されるとの見方を裏付けるものとなる。中小企業については不確実性が大きいものの、人手不足が強まる中で、大企業がけん引する形で賃上げの動きが一定程度波及するとの見立てだという。

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