▽「あえての起用」自民・高市早苗氏、萩生田幹事長代行の登用理由を説明 公明は反発<産経ニュース>2025/10/10 10:16

自民党の高市早苗総裁は9日夜のNHK番組で、派閥パーティー収入不記載事件に関係した萩生田光一幹事長代行の人事を念頭に、「あえての起用と思ってほしい」と述べた。公明党や野党は反発しているが「しっかり働いてもらう」と強調した。
番組内で「野党だけではなく、公明党からも政治とカネで問題があった議員の起用に批判も出ている」と問われた高市氏は、「あえての起用」とした上で、「党内へのメッセージでもある。とにかく誰一人、遊んでいてもらっては困る」と語った。
「自民党の政調会だけでも100を超えるポストがあり、幹事長室、青年局、女性局、組織運動本部など、いろいろなところで長として働いてもらう人材は必要だ」と説明。萩生田氏の名前は出さなかったが、「選挙の審判を受けた人で、今回、党役員に入った人のことだと思うが、しっかりと働いてもらうというメッセージだ」と述べた。
同日、高市氏はテレビ朝日番組にも出演した。自民、公明両党の連立協議で公明は「政治とカネ」問題を重視し、企業・団体献金の受け皿を、政党本部と都道府県組織、国会議員の政党支部に限定する案を提示している。これについて高市氏は「県連に全部お金が集まると、もしかしたらチェックが働かないのではないか」と透明性を疑問視していた。
▽石破首相の戦後80年「見解」政治と軍の関係に焦点 10日発表、無責任なポピュリズムに警鐘<産経ニュース>2025/10/9 22:09

石破茂首相が戦後80年の節目にあたり発出する先の大戦についての首相個人の「見解」の概要が9日、分かった。10日に記者会見を開いて公表する。政治が「軍」を統制する意義に焦点を当てる一方、歴史認識や戦争責任に関する言及は避ける。主戦論に傾いた戦前や戦中の時代背景を踏まえ、「偏狭なナショナリズム」や「無責任なポピュリズム」に警鐘を鳴らす。複数の政府関係者が明らかにした。
現行憲法下の関係にも触れ
見解は「なぜ、あの戦争を止められなかったのか」という首相の問題意識のもと、戦前に政治が軍部を統制する「政軍関係」が確立されていなかった点を検証。軍を指揮・統率する「統帥権」が拡大解釈され、政府や政治家が「必敗」と予測された対米戦争に歯止めをかけられなかった実態を指摘する。当時の政府や軍部の縦割りも問題視する。
また、過去の教訓を踏まえ、現行憲法下での自衛隊と政治の関係にも触れる。文民統制(シビリアンコントロール)をより確実なものにするため、自衛隊の最高指揮官である首相をはじめとする政治家の役割を強調する。一方、首相はこれまで自衛隊を他国同様の軍隊とみなすべきだとの持論を展開してきたが、軍隊を認めていない憲法9条の政府解釈などを考慮し、言及は控える。
反軍演説やチャーチル演説も
昭和12年の日中戦争勃発以降に軍部やメディアなどが扇動した主戦論を問題視し、異論に不寛容になっていた当時の社会情勢についても考察する。泥沼化する日中戦争継続に異議を唱えた衆院議員、斎藤隆夫氏の15年の帝国議会での「反軍演説」に触れる。民主主義の欠陥を認めながら最善の民主政治を求めたチャーチル英首相の「民主主義は最悪の政治形態といえる。他に試みられたあらゆる政治形態を除けば」という議会演説の一節も引用する。
首相は9月の国連総会の一般討論演説でも「無責任なポピュリズム」や「偏狭なナショナリズム」を批判し、民主主義の土台として「健全な言論空間」の必要性を訴えた。
ただ、退陣する首相による見解発出には自民党内の反発が大きく、見送りを求める声もある。高市早苗党総裁は総裁選期間中だった9月25日の産経新聞の取材に「70年談話がベストだ。新しいメッセージは必要ない」と述べ、反対している。(末崎慎太郎)
▽公明、高市総裁の「平手打ち」で硬化 自民との連立は重大局面に<朝日新聞デジタル>2025年10月9日 19時40分
自民党の高市早苗総裁と公明党の斉藤鉄夫代表は10日、連立政権継続をめぐり再会談する。公明は9日の党内協議では、連立離脱と連立維持の意見がぶつかり、斉藤氏への対応一任が夜まで持ち越される異例の展開となった。10日の党首会談で自公は重大局面を迎えそうだ。
斉藤氏は9日午前の中央幹事会の冒頭、自民との交渉をめぐり「政治とカネの問題についてしっかりとした姿勢を示してほしい」と強調した。高市氏との7日の会談で、企業・団体献金の受け手を絞る新たな規制強化案をのむよう求めたが、折り合いがつかなかった。10日の再会談で高市氏の返答次第で連立合意を判断しようと、斉藤氏は中央幹事会で一任を取り付ける算段でいた。
自民「本気で連立離脱を考えているのでは」
だが、会議は荒れた。約1時…
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