日銀は15~16日に開いた金融政策決定会合で、政策金利を引き上げると決めた。無担保コール翌日物金利を1.0%程度で推移するよう促すとして、従来の0.75%程度から引き上げる。政策金利の1.0%は1995年以来31年ぶりの高さとなる。今回の会合では植田和男総裁が欠席した。8人の政策委員のうち利上げに賛成したのは7人で、浅田統一郎審議委員は「中東情勢の影響について、物価の上振れリスクよりも生産・雇用の下振れリスクの方が大きい」ことから据え置きを主張して利上げに反対した。
 
 国内景気については、中東依存度の高い原材料の代替調達が進展していることから「経済が大きく下振れるリスクはひところよりも低下している」と指摘。「伸び率を縮小しつつも、緩やかな成長を続けるという中心的な見通しにおおむね沿って推移している」との認識を示した。一方、物価については「消費者物価の基調的な上昇率が2%の『物価安定の目標』を超えて上振れていくリスクがある」との見方を示した。金融環境は「緩和した状態にある」としたほか、実質金利は「短中期ゾーンを中心にマイナスとなっている」とした。
 
 利上げについては、経済・物価・金融情勢を踏まえ、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断したと説明した。利上げ後も「緩和的な金融環境は維持されるため、引き続き経済活動をしっかりとサポートしていく」という。今後の金融政策運営については「基調的な物価上昇率が2%に近づいているなか、現在の金融環境が緩和的であることを踏まえると、経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げる」との考えを示した。調整のタイミングやペースについては「中東情勢の展開がわが国経済・物価に及ぼす影響を注視したうえで、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら、検討していく」方針であるという。